ネットショップを始める際に、開業届はどのようなものを提出する必要あるのでしょうか?
開業届の記入方法や、提出場所、提出方法にはどのようにすれば良いのでしょうか。
また、ネットショップを開業するにあたり、気をつけて欲しい点についても合わせてご紹介していきます。
開業届け
ネットショップを開業する際は、「開業届出」を提出します。
開業届に関しては、ネットショップ開業日から1ヶ月以内に提出する決まりになっています。
開業届の提出方法
主な流れは以下です。
1.税務署またはオンラインで書式を入手する
2.必要事項を記載する
3.提出する
1.税務署またはオンラインで書式を入手する
必要なもの
開業届けの正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。
管轄の税務署宛に提出する必要があります。
提出書類である「個人事業の開業・廃業等届出書」に関しては国税庁のHPで簡単に入手できます。
HPからのダウンロードではなく、最寄りの税務署で入手することも可能です。
個人事業主に関しては、開業届出書以外の添付書類や手続き費用などは不要です。
また、手数料はかかりません。
▼参考
No.2090 新たに事業を始めたときの届出など
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2090.htm
本人確認書類
届出書には「個人番号」を記載する箇所があります。
マイナンバーカード(法人の場合は法人カード)が必要となります。
マイナンバーカードがない場合は、本人確認書類として2点必要です。
1点は「通知カード」もしくは「住民票の写し(番号確認のため)」
2点目は「運転免許証」など身分を確認できるものを用意してください。
2.必要事項を記載する
書類の記載についても、国税庁のHP参照例があります。
下記にも簡単にまとめましたので参考にしてくださいね。
書類記入必須事項
・管轄税務署:提出する管轄税務署を記入
・提出日:提出日を記入
・納税地:自宅の住所もしくは実際の店舗のある事業所等を記入
・上記以外の住所地・事業所等:自宅と店舗、事務所など所在している場所が違う場合は記入
・氏名:名前を記入
・生年月日:誕生日を記入
・個人番号:マイナンバーを記入
・職業:職業を記入(ネットショップ販売やインターネット販売など)
・屋号:ショップ名を記入(ショップ名が決まっていない場合は、空欄可。
後から変更したい場合は、確定申告の際に申告書に記入することで変更が可能
アルファベット、数字の屋号も可)
・届け出の区分:「開業」にチェックを入れる
・開業・廃業等日:開業日を記入
・開業・廃業に伴う届出書の提出の有無:控除を受けられる青色申告を検討している場合は「有」にチェックを入れる。
(※青色申告を行う場合は開業から2か月以内に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。)
・事業の概要を記入:「職業」よりも具体的な販売内容を記入し
(どのような内容のネットショップなのかを記入。
販売以外のビジネスがある場合も記入しておくと良い。
内容を広く定義すると販売品の変更や追加または事業拡大の際にも対応できる)
・専従者:家族を従業員として雇用し給与を支払う場合に記入
(※専従者として家族へ給与を支払う場合は「青色事業専従者給与に関する届出」を提出する必要があります。)
・使用人:従業員を雇用する場合に記入
・計:専従者、使用人の人数を記入。雇用がない場合(一人での事業の場合)は0(ゼロ)と記入
書類は控えと合わせて2枚記入します。
2枚に、氏名欄の押印をしてできあがりです。
税務署には記入した「個人事業の開業・廃業等届出書」と本人確認書類を持参します。
郵送の場合は本人確認書類のコピーと返信用封筒(控え用)を同封して送ることとなります。
3.提出する
提出する場所
開業届の提出先は、最寄りの税務署となります。
持参もしくは郵送、または電子申請で提出することが可能です。
税務署の受付時間は、8時30分から17時です。
▼参考
税務署の所在地などを知りたい方
https://www.nta.go.jp/about/organization/access/map.htm
提出方法
・税務署へ持参
最寄り管轄の税務署へ書類を持参し、提出することも可能です。
記入事項に不明点がある場合は、持参して直接指導を受けながら記入することもできます。
・税務署へ郵送
開業届は郵送も可能です。
郵送で提出した書類に不備が見つかった場合は、修正を求められますので、再度提出が必要になります。
・投函
税務署の時間外の提出を希望する場合は、時間外受付箱がありますので、そちらに書類を投函することで提出したこととなります。
・電子申請
国税庁が管轄する、「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」での開業届提出も可能です。
e-Taxは開業届だけではなく、オンライン上で確定申告もできるため便利なシステムとなっています。
<e-Taxでの電子申請時の注意点>
あらかじめ国税庁のHPからe-Taxへの登録とソフトのインストールが必要となります。
さらに、「電子署名済みのカード」「カードリーダー」の準備が必要となります。
▼参考
【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)
https://www.e-tax.nta.go.jp/
特定の商品について販売する際の注意点
開業届のほかに、扱う商品によっては許可や資格・免許が必要になるため注意が必要です。
許可・資格の申請が必要な商品は「食品」「中古品」「化粧品」「酒類」「健康食品」「医薬品」「輸入品」です。
ネットショップで販売予定をしているものにあてはまった場合は、許可の申請や資格、免許が必要になります。
開業届を提出するとできるようになること
銀行口座
開業届出の提出が済むと「屋号」を使った銀行口座が作れるようになります。
銀行口座の開設時に、開業届の控えの提出が求められますので、控えは大事なものですので、必ず手元に残しておいて下さいね。
小規模企業共済
中小機構が運営する「小規模企業共済」に加入することができます。
個人事業主の場合、退職金や廃業時に備え、毎月一定の掛金を支払うことで共済金を受け取ることができます。
掛金を経費としても計上できますので、節税にもつながります。
特定商取引法に基づく表示
最後になりましたが、ネットショップで開業届を出す前に必ず行って欲しいことがあります。
それは、「特定商取引法に基づく表示」の掲載です。
特定商取引法は、事業者による違法や悪質な勧誘行為を防止するための法律です。
「特定商取引法に基づく表示」は、ネットショップのすべてのページにリンクを張ることが義務付けられています。
商品を販売する場合、双方の同意の上契約という形で購入の取引が行われます。
しかし、お互いの合意に食い違いが生じた場合、大きなトラブルになりかねません。
トラブルを防止するためにも、リスクマネージメントを行い、安全なネットショップの運営を行うためにも、
まずは「料金」「販売事業者名」「プライバシーポリシー」「利用規約」の記載必要項目について確認しましょう。
確認後は、ガイドラインを作成し自社にとっても顧客にとっても安全なネットショップとして開業しましょう。
▼参考
特定取引法ガイド
https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/