昨今、SNSをはじめ様々なところで話題となっているのが「サブスクリプション」ビジネス。“○○のサブスク”という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、薄っすらとは分かっていても、レンタルやリースとの違いについては具体的に説明できない…という人も多いはず。そこで今回はサブスクリプションとレンタルの違いを詳しく解説した上で、サブスク参入上でのポイントなどをまとめてみました。
サブスクリプションとレンタルは「定額制」かどうかで異なる!
まず、レンタルとサブスクリプションの違いに関してですが、これは「お金を支払う目的が異なる」と言えます。例えばDVDをレンタルする場合は、決められた期間特定の商品を借りるため、個別にお金を払いますよね。
しかし、サブスクリプションは「一定期間、決められた範囲内の商品を利用するためのお金を支払う」のが特徴です。つまり、DVDのサブスクであれば月々定額を支払えば、サービスに含まれているすべてのDVDを自由に借りられる、ということになります。
パッケージではなく映像データとしての利用にはなりますが、最近普及しているAmazonのプライムビデオやNetflixなどは言わばDVDのサブスク、の代表例と言えるのではないでしょうか。
定額で毎月商品が送られてくるサービスも!
サブスクリプションビジネスは、映像データや音楽、車など幅広い業界で用いられています。しかし、中には「一般的にレンタルできない」商品が取り扱われていることも。例えばお菓子やお酒、化粧品など、通販業界でもよく商材とされる消耗品や、スポーツジムやサロン、飲食店などその場所での体験を提供するものですね。
サブスクリプションは定額制で利用できるサービス全般を指すケースもあり、この場合は毎月定額を支払えば、決められた数量の商品(会社によっては自社で顧客ごとにセレクトしたもの)が自動的に贈られてきます。定期購入との違いは、やはり「特定の商品ではなく、サービスに対価を支払っている」点と言えるでしょう。飲食店や美容サロンなどでは、月額制で月に何度でも来店可能、ドリンクが無料になるといったサービスが行われていることが多いようです。
リースとの違いは主に「途中解約できるか」
サブスクリプションやレンタルと類似したサービスとしては「リース」も挙げられます。リースは簡単に言うと、コピー機や複合機、車など比較的高額な商品を長期間に渡って貸し出すというもの。
リース契約も専門の仲介会社に月額料金を支払うことになりますが、サブスクリプションとの違いは「基本的に途中解約ができない」点。契約書を交わすと定められた期間は借り続けることになるため、一般的には会社(法人)が利用するケースが多いのが特徴です。対して、サブスクリプションは継続を希望しなければいつでも解約できます。
非日常な特別感を提供!サブスクリプションに参入する上でのポイントは?
サブスクリプションは昨今急速に広まっているサービス形態ですが、導入する上で大切なのは「サブスクならではの魅力を提供する」こと。では、顧客から見てメリットが大きいサブスクにするにはどうすれば良いのでしょうか?
その① 定額以上の価値が感じられるよう工夫する
消費者にとってのサブスクリプションは「月々定額を払えば、通常よりもコスパよく希望の商品を利用できる」サービス。つまり、お菓子やお酒などの商品であれば自分で選んで買うより安い!と思われなければなりませんし、体験商品であればその都度支払うより安い!というものでなければ魅力を感じてもらえないのです。
もちろん企業としては経費と売上の兼ね合いもあるでしょうが、サブスクリプションは単価を高くしにくい一方で「すべての顧客から定額を得られる」のが特徴なので、利用者が増えるほどコストの割合は減りますし、より良いサービスに繋げられる可能性もあります。顧客目線に立って、どうすれば利用したいと思うか、をよく考えましょう。
その② “特別感”を演出する
サブスクリプションの中には、通常であれば所有が難しい高額商品を自由に借りられたり、従来では資金的なハードルが高いと思われていたサービスを受けられたりするのものもあります。例えばブランド品の月額レンタルサービスや、高級車のサブスクなどですね。
自分のものにならない分、顧客にとってはローリスクでその時の気分に合った新品同然の品物を利用できるメリットもあるため、どう非日常感を演出するか、という視点で考えるのも良いでしょう。
その③ 無料期間を設ける
特に映像や音楽などのデータを提供するサブスクの場合、1か月程度を目安に無料期間が設けられていることがほとんどです。合わなければ解約すればいいし、と気軽に始められるので、新規顧客を獲得しやすい戦略と言えます。
その④ 解約・再入会が簡単にできるようにする
サブスクで敬遠されやすいのが「解約手続きがしにくい」というもの。具体的には“解約できるページがどこか分かりにくい”や、“解約手続きに進んだら完了までの間に何度も引き留められたり、宣伝されたりする”などが挙げられます。
こうなると企業に対する印象が悪くなってしまい、解約してから再度サービスに魅力を感じたとしても、再入会する気が削がれがち。ネットや口コミなどで情報が出回ると、そもそもの入会に抵抗を感じる人が増える恐れもあるため、解約や再入会のハードルはなるべく低くしておきましょう。
その⑤ これまでになかった新しい発想(自社の強み)を模索する
サブスクは、今や数多くの業界で実施されているサービスです。そのため、自社も参入しようと考えても、既に同じ商品を取り扱っている会社があるかもしれません。その場合はまったく同じサービスを提供するのではなく、自社ならではの新しい試みを模索する必要があります。
例えば特定の商品のみに特化し、その部分だけは他社に負けない品ぞろえにする、スマートフォンやタブレットと連携し、より細かく顧客情報を入手した上でぴったりのサービスを提案するなど、他にはない魅力を模索してみてくださいね。
英会話や医療系まで!?ここまで進化しているサブスクビジネス
最後に、サブスクビジネスの中でも特に個性的なものをご紹介しましょう。娯楽や消耗品に留まらず、昨今では教育や医療系の分野でもサブスクリプションが利用されているのですね。
YClean(ワイクリン)
ワイシャツのクリーニングサービス…かと思いきや、何と「1か月分のワイシャツを月額制でレンタルできる」というもの。借りたら着て返すだけなので、自分でクリーニングに出す必要もありません。常に新品のワイシャツで出かけたいけれど、洗濯が面倒!という方におすすめです。
エースコンタクト
1か月2,000円弱で、好きなコンタクトレンズを使用できるサービス。度が合わない場合や破損・傷があった場合は新品・交換も自由で、万が一紛失しても最低限の金額で新品を用意してもらえます。ケア用品を定期配送してくれるプランもあり、サポートが手厚いですね。
Native Camp(ネイティブ キャンプ)
気軽に英語を学べる方法として、昨今増加しているオンライン英会話。中でもネイティブキャンプは月額制でレッスン回数に制限なし、24時間365日いつでも利用可能ということで、忙しい社会人の方にも続けやすいのが特徴です。
Doctors Me(ドクターズ ミー)
https://doctors-me.com/top/about
スマートフォンやパソコンを通じ、いつでも専門の医師や栄養士、歯科医師、薬剤師、カウンセラーといった職業の方々に相談できるサブスクリプションサービス。匿名でスピーディーに回答を受けられるため、対面では打ち明けにくいお悩みも話しやすいと言われています。