近年急速に普及しているネット通販事業ですが、法人のみならず個人で立ち上げる人も増えてきています。オンラインを利用して比較的簡単に独立開業できるイメージもあり、まずは副業から始めてみようか…と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ネット通販事業の始め方について詳しくご紹介。踏むべき手順や商品の売り方、活用できる初心者向けのサービスなどについてまとめてみました。
個人でネットショップを立ち上げるには3つの方法がある!
まず、個人でネット通販のショップを立ち上げる方法について見てみましょう。出店の際には、主に「大手モール型サイトを活用する」ものや「独立したECサイトを制作する」、そして「無料のネットショップを利用する」などが挙げられます。
大手モール型サイトに出店する
例えばAmazonや楽天など、大手モール型サイトに商品を出品できれば、幅広い層に自社のことを知ってもらえる可能性があります。大手モール型サイトを利用するメリットは、やはり集客力があること。自社サイトに人を呼び込む必要がないため、効率よく商品を売れる可能性が高いでしょう。
ただし、大きな名前を借りるということはそれだけ注意点もあります。商品が売れても手数料が高くついたり、他社との価格競争に巻き込まれやすかったりといったデメリットも存在しますから、事前によく分析を行ってくださいね。
独立したECサイトを制作する
自社サイトを制作する、というのも定番の方法です。特にオリジナル商品を販売する際によく用いられ、自社商品しかないため魅力をアピールしやすい、余計な手数料がかからないといったメリットがあります。
ただし、このやり方だと商品を売るためにサイトへ新規顧客を誘導しなければならないため、マーケティングには工夫が必要です。また、プロのデザイナーや専門会社に依頼する場合は、制作コストもかかるでしょう。個人で始める場合、いきなり自社サイトを制作するのは得策ではないかもしれません。
無料のネットショップを利用
個人でECサイトを制作する場合、おすすめなのが「無料のネットショップを利用する」方法です。代表的なサービスについては後述しますが、これは一般的にASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)と呼ばれるもので、サイト立ち上げから宣伝、販売に至るまでを様々な機能でサポートしてくれます。
ASPサービスには有料のものも多いですが、中には無料(売れた時にのみ手数料がかかる仕組み)で利用可能なものもありますから、自社サイトを検討している方はぜひ考えてみてはいかがでしょうか?
ネット通販の個人経営で注意すべきポイントは?
しかし、ネット通販の個人経営には注意すべきポイントもあります。無理なく運営を継続するため、以下のような点をしっかり確認しておきましょう。
取り扱う商材によって「許可」が必要なことを理解する
ネット通販ではオリジナル商材を取り扱う場合と、既存の商品を仕入れて売る場合があると思いますが、いずれにせよジャンルによっては「許可証」が必要となります。
例えば食品を売るなら「食品衛生法に基づく営業許可申請証」を取得することになりますし、その他にもお酒や医薬品、化粧品、健康食品、古物(中古品)などに該当すれば保健所や税務署などで申請を行わなければなりません。立ち上げ前に、必ず確認してくださいね。
携帯電話番号以外の連絡先を設ける
昨今では固定電話の番号を取得しない人も増えていますが、ネット通販のショップを開設する場合は信用度に関わるため、できれば固定電話の連絡先も記載しておくのが安心です。また、LINEのIDやフリーメールのアドレスなど、問い合わせの手段は複数用意しましょう。
営業時間をある程度決めておく
特に副業の場合、常に顧客対応に追われてしまうと身体に大きな負荷がかかってしまいます。専業でも24時間365日パソコンに張り付いているわけにはいかないので、休業時間をきっちり決め、適度に身体を休ませるのが継続のコツです。
こまめに帳簿をつける
売上が思った以上に出ると、つい疎かになりがちなのがコスト管理。はじめのうちは計算が大雑把でもなんとかなるかもしれませんが、帳簿の数字が合わないとしだいに大きな問題へ繋がりますから、日々事務作業を怠らないように気を付けましょう。
◎一度失敗しても諦めない!独自の成功ルートを見つけることが大切
立ち上げ当初は前向きな気持ちに突き動かされやすいものの、上手くいかないと徐々に焦りが生まれますよね。しかし、ネット通販のショップは急速に軌道に乗るようなものではありません。少なくとも下積み期間が必要と言われているため、事例を参考に、独自の成功ルートを根気強く探すことが大事と言えるでしょう。
開業届けは出す?ネット通販ショップを開業するまでの5ステップ
では、ネット通販を開業するにはどういった手順を踏めば良いのか?というと、始めるまでには以下の5ステップが必要となるのが一般的です。
その① 出店方法を決め、コンセプトや事業計画を立てる
まずは最初にご紹介したような中から出店方法を決め、お店のコンセプトを考えます。ポイントは、事業計画を細かく詰めておくこと。思ったように売れない、コストが高すぎて利益が出ない…といったすれ違いを防ぐためにも、慎重に検討しましょう。
その② 許可申請をはじめ、必要な準備を行う
次に、前述した許可が必要な商材を取り扱う場合は保健所や税務署に申請を行います。また、必要な機材やシステムも揃えておかなければなりません。決済システムはもちろん、ステップメールやフォローメールを送るためのメールサービスの導入なども考えてみてください。
その③ 自社サイトを制作
モール出店型の場合はひとまず必要ありませんが、自社サイトを制作する場合はまず誰に依頼するか、自分で作るかを決めます。コストをなるべく削減するなら無料のネットショップを利用し、自分で作るのが良いでしょう。
その④ 配送業者と手続きを行う
決済方法としては、銀行振り込みの他に最低限代引きとクレジットカード払いを用意しておくのがおすすめ。配送業者にはその都度自分で持ち込む方法もありますが、まとまった数を依頼するなら法人向けサービスを利用し、料金を交渉するのが一般的です。
その⑤ 開業届を提出
開業届は提出しなくても罰則等は設けられていないものの、原則出すものと決まっています。特に確定申告で特に節税効果の高い青色申告を利用したい場合は、開業届を出していないとほぼ不可能となるため、注意しておきましょう。
◎無料でネットショップを開設できる!代表的な2つのサービス
このように、個人でネット通販のショップを開設するなら無料のネットショップを活用し、自分でコツコツサイトを構築するのが最適。無料サービスの代表例としては以下の2つが挙げられるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
BASE(ベイス)
無料登録を行うだけで、個人のネットショップを開業できるBASE。会員登録後、審査不要ですぐにクレジットカードが導入できるのが特徴で、配送日指定や年齢制限、SNSでの広告など幅広い機能から細かく設定を行うことが可能です。
STORES(ストアーズ)
BASEと並び、初心者でも簡単にネットショップを開業できるとして注目されているSTORES。無料プランの他に有料プランも用意されており、より豊富なサービスを利用したいと思ったら移行することもできます。まずはお試しのつもりで無料版を使ってみる、というのも良いかもしれません。