ネイティブ広告は「ネイティブアド」とも呼ばれ、近年広告のレイアウト手法のひとつとして主流となっています。しかし、そう言われてもなかなかピンと来ない人も多いでしょう。
そこで今回は、ネイティブ広告とは何か?から詳しくご説明。意外とたくさんある種類や活用事例についても見ていきたいと思います。
ネイティブ広告は「メディアコンテンツ内に自然になじませる」手法のこと!
ネイティブ広告には様々な種類がありますが、共通しているのは「メディアコンテンツの中に自然に溶け込み、間接的に商品をアピールする」広告の枠組み、ということ。
形式としては通常の記事風から動画、スライドショーまで幅広いものの、いずれも編集デザインの中に組み込まれており、広告が表示されているメディアに対するユーザーの関心を損なわないように工夫されています。
ネイティブ広告のメリットは?
ネイティブ広告のメリットは、「ユーザーにストレスを与えず、潜在的な層に対してアプローチできる」ところ。ごく自然にメディアの中に組み込まれるため、ゴリ押し感や視覚の妨げに繋がらず、不信感を抱きにくいと言えるでしょう。
潜在的な層とは、自社と関連性のあるジャンルに興味を持つ人のこと。例えば健康食品に関する記事に自社のダイエット用品のネイティブ広告を打ち出したり、グルメ系のメディアで新商品のお酒を宣伝したりといったものですね。また、興味があれば躊躇なくそのページに飛びやすいことから、クリック率の高さやスマートフォンとの相性の良さも長所とされています。
ネイティブ広告にデメリットはある?
しかし、ネイティブ広告にもデメリットはあります。まず「コンテンツ作成にコツが必要」という点。通常のバナー広告やネット広告に比べてユーザーの興味を惹き、なおかつ自然に溶け込ませる努力をしなければならないので、作業コストが大きくなりやすいのです。
さらに、潜在層へもはたらきかける分、効果が現れるのが遅い面も。広告と気付かずクリックした層には、一般的なネット広告以上に反感を持たれる恐れもありますから、慎重に作成しなければなりません。
ネイティブ広告には「7つ」の種類がある
ネイティブ広告は、一般的に7つの種類に分けられます。では、それぞれにどういった種類を持つのか、詳しく見ていきましょう。
その① インフィード型
最も代表的なネイティブ広告の形として知られるのが「インフィード型」。これはコンテンツとコンテンツの間に掲載される広告のことで、TwitterをはじめとするSNSでよく使用されます。TL(タイムライン)に流れてきたと思ったら下部に「PR」と掲載されている、というパターンの広告がインフィード型です。
メリット:ユーザーの目に留まりやすく、クリック率も高い デメリット:広告と判明した瞬間抵抗感を覚えるユーザーも少なくない
その② ペイドサーチ型
ペイドサーチ型はリスティング広告とほぼ同じ仕組みをもち、ユーザーが検索した特定のキーワードに合わせて検索結果に表示される広告のことです。GoogleやYahoo!などが主な媒体とされ、こちらも基本的には広告であることが分かりやすくなっています。
メリット:その用語に興味を持つユーザーにピンポイントでアプローチできる デメリット:検索回数が多いキーワードほど、1クリックあたりの単価が高い傾向がある
その③ レコメンドウィジェット型
主にランディングページを媒体として、サイト内の関連記事やおすすめ欄に掲載される広告をレコメンドウィジェット型と言います。他のコンテンツと同じ方法で作成されるのが一般的で、ページ内では下部に位置するため目には付きにくいですが、その分特に関心が高いユーザーを引き寄せやすい側面もあるでしょう。
メリット:広告色が薄く、クリック率やコンバージョン率が高い デメリット:競合が少ないため、運用に関して参考になる情報も乏しい
その④ プロモートリスティング型
プロモートリスティング型はペイドサーチ型と似た性質を持ちますが、ユーザーが検索したワードではなく、商品やサービスのページに掲載されるのが特徴です。広告であることを主張する際、「広告」ではなく「プロモーション」と書かれる傾向もあります。
メリット:検索ワードに合わせて広告を配信できる デメリット:ユーザーのニーズからずれていた場合は、素早く離脱されてしまう
その⑤ インアド型(サイドバー広告)
インアド型はサイドバー広告とほぼ同じ仕組みで、コンテンツとの関連性が深い広告をバナーとしてページ脇に設置するもの。顧客の関心を前提として内容が工夫されるため、通常のバナー広告に比べるとクリック率が高い傾向があります。
メリット:自社とターゲット層が近いメディアを狙えば、効率よく認知度の向上をはかれる デメリット:表示回数に比べて、コンバージョン率が低い傾向がある
その⑥ 記事広告型
記事広告型はタイアップ広告と呼ばれることもあり、特定のWebメディアにサービスの紹介記事を掲載する、という手法を指します。インフィード型の一種とも捉えられますが、記事広告型の場合はメディア内の一コンテンツのように溶け込むため、そのメディアに関心を持つ層がついクリックしてしまいやすいという特徴があります。
メリット:そのメディアの読者層にピンポイントでアプローチしやすい デメリット:「PR」の言及は入るため、他の記事とは明確に区別される
その⑦ カスタム型
カスタム型は、上記6つのどれにも該当しないネイティブ広告の総称です。例えばLINEニュースや企業公式スタンプなど、独自性の強いサービスの中でネイティブ広告を打ち出すようなケースが挙げられるでしょう。
タイプ別に見る!ネイティブ広告の成功事例をご紹介
では、実際のネイティブ広告にはどのようなものがあるのでしょうか?今回はタイプ別にご紹介しましょう。
インフィード型:Qoo10(https://www.qoo10.jp/)
インフィード型の例としてよく挙げられるのが、総合ECモールとして知られる「Qoo10」。Qoo10は梅雨の時期、Twitterで「扇風機無料!」のネイティブ広告を打ち出したことで話題となり、会員登録者数を増やしたと言われています。これからちょうど扇風機が必要になるタイミングを選んだのも、成功のポイントなのではないでしょうか。
ペイドサーチ型:Googleを利用したライザップの広告
Googleで「ダイエット ジム」で検索をかけてみた結果、2021年7月現在はパーソナルトレーニングジムとして知られる「ライザップ」の広告が上位に表示されました。“期間限定キャンペーン実施中”のようなワードと組み合わせることで、顧客の関心をより高めていますね。
レコメンドウィジェット型:Amazonを利用したバッファローの広告
Amazonで「DVDプレイヤー」と検索した際、2021年7月現在では上位にバッファローのブルーレイディスクが表示されるようになっています。こちらも製品の魅力ポイントをキャッチコピーとして掲載することで、DVDプレイヤーとの同時購入を効果的に狙っていますね。
プロモートリスティング型:ぐるなび(https://www.gnavi.co.jp/)
プロモートリスティング型のネイティブ広告に対応したサイトとしては「ぐるなび」が代表的です。試しに「エリア×料理名」で検索してみると、登録している飲食店の中でも最上位にキャンペーン中の店舗が出てくることが分かります。ぐるなびは楽天が運営しているサイトということもあり、楽天ポイントが付く、というのもアピールになるようです。
インアド型(サイドバー広告):アットコスメ(https://www.cosme.net/)
インアド型のネイティブ広告を打ち出せるサイトとしては、化粧品の口コミサイト「アットコスメ」が挙げられます。特に検索をかけなくても、アクセスすると自然に新商品がサイドバーとして出てくるようになっており、かなり目につきやすいですね。
記事広告型:キリンビバレッジ
こちらはナチュラル志向の女性向けメディアとして知名度が高い「キナリノ」に掲載された、キリンビバレッジのネイティブ広告。通常の記事と同様のタイトルデザイン、文体にすることで、より説得力を高め、魅力的なコンテンツに仕上げています。