ECサイト(ネット通販事業)においては、まず商品に興味を持ってもらい、サイトへ誘導すればこっちのもの!と思ってしまいがち。しかし、実は関心を持ってサイトへ訪れたのに、その先へたどり着くことなく引き返している見込み顧客も多いのです。
これを「離脱」と言い、経営者にとっては悩みの種になりやすいと言います。せっかく集客できたと思った顧客を逃してしまうわけですから、一体何が悪いのだろう?と気になりますよね。
そこで今回は、離脱の代表的な原因や、離脱されやすいタイミングなどについて徹底解説。離脱防止のための有用なツールについてもご紹介しましょう。
中には「直帰」する人も!?離脱の代表的なタイミングとは
商品に興味を持ってサイトに訪れた際、離脱しやすいタイミングとしては主に「来てすぐ」や「商品一覧を確認した時」、「カートに商品を入れ、注文フォームに進んだ時」、「決済の前」などが挙げられます。
来てすぐ(直帰)
まず、サイトへ訪問したものの、最初のページ(ランディングページやホーム画面)だけを見て離脱してしまう人。これは「直帰」とも呼ばれ、その全体の割合を「直帰率」と表すこともあります。
商品一覧を確認した時
次に、商品を一通り確認した後。「興味があると思って開いたけれど、結局欲しいものがなかった」「値段を見て、今のところはやめておこうと考え直した」など理由は様々でしょうが、これについては理由が分かりやすいですね。
カートに商品を入れ、注文フォームへ進んだ時(通称カゴ落ち)
中には、カートにせっかく商品を入れ、注文フォームまで進んだのに離脱してしまう人もいます。これを「カゴ落ち」と言い、ECサイトにおける離脱率の中ではかなりの割合を占めるようです。この場合は会員登録が必須になっていて面倒だったり、注文方法が分かりにくかったり…と、システム自体の問題が考えられます。
決済の前(もしくは確認画面)
注文を完了できるあと一歩のところで離脱する、という人も意外と多いもの。特に確認画面での離脱率が多い場合は、確認画面まで進んだことで安心してしまい、完了したものと勘違いしている…という恐れもありますから、ページの構成を見直してみましょう。
一体なぜ?離脱する人々にはこんな理由があった!
商品を確認した上で「今は欲しいものがない」というのであればある程度仕方がありませんが、例えばサイトに来てすぐ、あるいはせっかくカートに商品を入れたのに離脱してしまう、ということであれば判断が難しい部分もありますよね。
そこで、もし離脱率が高い場合は以下のようなポイントを見直してみてください。もしかしたらサイトの見せ方や、顧客にとってのストレスの多さなどが関係しているかもしれません。
理由① サイト構成が分かりにくい
まず、ランディングページに進んだ時に「どこに何があるのか分かりにくい」というサイトは、離脱の原因を作ってしまいがちです。例えば商品一覧のメニューが見えない、どこまでスクロールすれば注文フォームにたどり着けるのか分からない、商品紹介がバラバラで、どれがオトクなセット(プラン)なのか判断しにくい…といった特徴があるようなら、問題点を把握した上で改善を試みましょう。
離脱防止策の例:フォーム一体型LPに変更する、どこからでも注文できる追従ボタンを導入する、など
理由② 各ページが重い、カラーリングが見づらい
次のページに進むのにその都度時間がかかる、となると非常にストレスですよね。こういった場合はカートに商品を入れるのも億劫になってしまうので、できる限り軽量化の努力を行ってみてください。また、全体のカラーリングがチカチカして見にくい、逆にシンプルすぎてぼやっとしている、などのケースでも、離脱率がアップする傾向が。
離脱防止策の例:外部ファイル化、フォーム一体型LPへの変更などで軽量化をはかる/赤や黄色などは強調部分のみに使用し、優しく分かりやすい色合いに
理由③ 返品やトラブル対応に関する記述がない
これは注文フォームに進んだ後や、注文方法の確認画面などでの離脱を生みやすいポイント。万が一商品を気に入らなかった時、何かしらの不具合が起こった時などにどう対処してくれるかが記載されていないため、何となく不安で注文しにくい…となるわけですね。
離脱防止策の例:お客様サポートや連絡先を明確に記載、Q&Aページを作成するなど
理由④ 注文フォームの入力項目が多すぎる
注文フォームに至った後の離脱で多いのが「入力項目が多すぎる」という点。氏名と住所、連絡先があれば商品を送れるはずなのに、アンケートや個人情報(家族構成や職場など)を聞かれる箇所が目立つ…となると、不信感にも繋がってしまいます。また、確認画面で不備があると入力がすべてクリアされる、といったケースもストレスを増大させやすいため、以下の点を参考に工夫してみてください。
◎注文フォーム作成のポイント
・入力項目は極力簡潔に ・フォームのサイズを左揃えで統一し、郵便番号や住所の入力欄もなるべく分けない ・住所やフリガナは自動入力を使用する ・家族構成や職場、商品購入のきっかけなど、発送に不要な質問はできるだけ控える ・必須事項は分かりやすく赤字やマークなどで示す ・確認画面で不備を知らせるのではなく、修正があれば進めないようにする (そのまま簡単に修正できるように)
理由⑤ いつも利用している決済手段が使えない
ECサイトを立ち上げるなら、銀行振り込みやクレジットカード、代引き支払いには最低限対応しておきたいもの。なぜなら振り込みを面倒に思う人もいれば、初めて使うサイトにカード情報を教えるのが不安、という人もいるからです。できれば電子マネーでの支払いも可能にしておくと、顧客の幅が更に広がるでしょう。
離脱防止には専用ツールも!代表的なものを確認してみよう
このように、離脱の原因には思った以上に様々なものがあります。離脱率が増えるほど損失は大きくなりますから、離脱防止は安定した経営を行う上で非常に重要です。しかし、中には「できることはすべてやったつもりなのに、なかなか上手くいかない!」という人もいるはず。
そんな経営者のために、昨今では専用の「離脱防止ツール」も登場しています。今回は代表的なツールを3つご紹介しましょう。
KaiU(カイユウ)
https://lp.kaiu-marketing.com/
ユーザーの動向を分析した上で回遊率を上げ、コンバージョン率の向上をはかるというのが特徴的な離脱防止ツール。最適なタイミングでポップ表示ができる、ユーザーの行動を分析した上で適切な誘導が可能などの利点があり、多くの企業に導入されています。
TETORI(テトリ)
https://www.tetori.link/land/apt
業種に応じたメッセージテンプレートを用意し、Webサイトのパーソナライズを行うことで見込み客の離脱を防止するというツール。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなどでの利用にも対応しており、ユーザー分析やA/Bテストも可能です。顧客に寄り添ってコンバージョン率アップを狙う方にぴったりなのではないでしょうか。
Re:Volver(リボルバー)
離脱防止をもとに、ランディングページのCVRを改善することを目的としたツール。最もコンバージョンに繋がるタイミングでポップアップを表示することで、コンバージョン率を上げるだけでなく質の高い見込み客を獲得できるというものです。管理画面もシンプルで分かりやすく、初めて使用する方にも最適と言えるでしょう。