Excelを使って顧客管理をしているが、運用が面倒だし、抜け漏れも生じやすくて困っている…」という方も多いのではないでしょうか?
CRMは、「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント」の略で、日本語では「顧客関係管理」と訳され、主に、多くの顧客情報を扱い管理する企業で導入されているシステムです。
システムの1つなんて言うと難しそうな雰囲気ですが、いまでは簡単に導入できる製品も増えています。
導入ハードルの低いCRMなら中小企業や、知識に乏しい担当でも迷わないでしょう。
それでは、CRMがどんなものなのか、よく比較されるツールとの違いや自社に最適なCRMの選び方について解説していきます。
CRM選びの基準は売上アップに顧客確保
CRMは簡単に説明すると、企業が特定の顧客との継続的な関係を築き、売上げや利益を向上させる経営手法を手助けするツールのことを指します。
簡単に言えば顧客の好みに合うマーケティングを行い、満足度を高めて売り上げを伸ばしながら、優良顧客を獲得していこうという考え方です。
一人ひとりの顧客情報を管理したり、分析したりするには、専用のシステムがあった方が全体を管理しやすいことから、「CRM=顧客情報管理をメインとしたシステム」を指すことが一般的になっています。
CRMを導入するときは、はじめに顧客情報のデータベースを作り、ニーズの把握や特定を行うことが重要です。
顧客のうち、自社にとって有益な顧客を選別し、必要に応じてランク付けするのも良い方法で、例えば年間300万円以上の商品を買ってくれる方はAランク、200万円までの方はBランク、100万円未満の方はCランクのようにランク分けもできます。
そして、顧客のニーズにマッチする製品やサービスを積極的に提供していき、顧客の獲得や定着、満足度を最大限まで引き上げるようにします。
この後は顧客を維持する努力を重ねて、さらなる増収を狙う流れです。
顧客のかゆいところに手が届くサービス提供と情報管理、そんなイメージでOKです。
また、社内ではCRMを営業部門だけが管理するのではなく、その他の部門でも同じ顧客情報を確認しながら戦略を立てるのが理想的です。
製造や開発に携わる部門でも、情報を共有できればより良いアイディアも出る可能性がありますし、社員全員が同じ方向を見て事業を進めることができます。
加えて、多くのCRMにはマーケティング機能が付いています。
主に、顧客へのメールの一斉送信やアンケート機能が利用でき、それらをうまく利用すれば顧客の満足度の把握や、商品やサービスへの感想もつかめるようになりますね。
こうしたことからCRMは、売上げアップや顧客の獲得にはマストアイテムだということが理解できるでしょう。
CRMとよく比較されるSFAって?使用目的が異なる顧客情報管理システム
CRMツールについて検討していると、よく比較されるのがSFAです。
SFAは「セールス・フォース・オートメーション」の略で、日本語では「営業活動自動化」と訳されます。
CRMとSFAのどちらも事業を進める上で必要で、顧客情報管理が中心のシステムなのですが、この2つのシステムは何が違うのでしょうか。
大きく異なるのは、「何を目的として顧客情報を管理するのか」というところです。
CRMは顧客のニーズの把握や選別により、顧客にマッチする商品やサービスを提供して売上げアップや優良顧客の確保を目指し、最終的に利益を増やすことから経営のためのシステムとされています。
SFAは、顧客情報と共にさまざまな案件や商談などの営業上の情報を細かくデータ化して、営業活動の効率化に貢献するものです。
また、同じシステムに複数の人が情報を入力することで、見込み客や折衝情報などの共有ができることから、SFAは営業のためのシステムと解釈されています。
似ているようでも、内容が随分違うことがわかります。
CRMとSFAで管理できる顧客情報に違いは?
2つのシステムで管理する顧客情報では、企業名をはじめ部署や名前などの個人情報が基本です。
基本情報に加えてCRMは、実施したアンケート結果なども管理でき、より顧客のニーズを分析したデータを作ることができます。
一方SFAは、基本情報のほかに案件内容・折衝履歴・商談内容・課題・興味・関心などを管理できます。
両者を比較するとCRMよりSFAの方が営業に関係する項目が多く、より具体的な戦略を立てるのに役立ちそうです。
若干、女性を口説くときの情報収集にも似ていますよね。
導入するならCRMとSFAのどっちがベスト?
では、導入するならCRMとSFAのどっちが良いでしょうか。
この2つの顧客情報管理システムは、導入するときによく比較されるシステムなのですが、本来は目的が異なるため、どちらがオススメ!というような判断はできません。
もしも、CRMとSFAのどちらを導入するか迷うときは、自社が顧客管理する目的は何かを考えてみてください。
例えば、顧客情報管理を企業内で共有・活用したい、売上げアップにつなげたいならCRM、顧客情報を集約したい、営業活動を効率化や営業課題の解決を目指すならSFA、といった感じで選択すると良いでしょう。
まとめ:CRMは自社の目的に合わせてカスタマイズできる製品がオススメ!
現在、CRMなどの顧客情報管理システムは、数億種類もあると言われていて、1つだけ選ぶのは大変な作業になりそうです。
製品を選ぶときは、自社がどんな目的で顧客情報管理をするのか、どんな機能がほしいかを考えてみてください。
近年のCRMは共有・管理しやすいクラウド系のサービスも増えていて、リアルタイムですべて把握できるものがほとんどです。
標準機能のほかに内容をカスタマイズできるCRM、数ヶ国語に対応するCRM、国産のCRMだとより使いやすいでしょう。
CRM選びに悩んでいる担当者は、まず母数の多い製品からチェックしてみるの も良いでしょう。