法人サイトやネット通販サイトを運営する上で、非常に重要な要素のひとつとされるEFO。これは「Entry Form Optimization(エントリー フォーム オプティミゼーション)」の頭文字を取ったもので、資料請求を行うための住所入力フォームやECサイトのショッピングカートといった入力フォームの最適化を指します。
EFO対策は特に問い合わせ数(コンバージョン率)を増やしたい場合に有効とされていますが、ECサイトにおいては最終的な申し込みに至るまでの離脱率を下げ、上手くいけば売上に繋げられるというメリットも。では、今回はEFO対策の基本や代表的な施策例、便利ツールなどについて見ていきましょう。
ユーザーが離脱する原因とは?
そもそもユーザーが離脱する原因は何か?を考えてみてください。入力フォームの離脱率を下げることは、広告やランディングページの最適化と同程度の効果をもたらすとも言われているので、改善できれば大きな売上アップが期待できます。
・見るからに入力項目が多すぎる
・半角/全角などの指定が分かりにくく、何度やってもエラーになる
・確認画面で不備があると言われたので戻ると、また初めから入力し直しになる
代表的な離脱原因としては、上記のようなケースが挙げられるでしょう。パッと見て時間がかかりそうだから入力を諦めた、いったんチャレンジしたのに確認画面に進めなくて興が削がれた、二度手間になるのが嫌で申し込みをやめた…など、共通点としては「ユーザーの盛り上がった気持ちを阻害してしまった」のがきっかけと言えるのではないでしょうか。
EFO対策は、このような消費者意識に配慮し、萎えさせずに送信ボタンを押せるようはたらきかける施策なのです。
EFO対策の基本は3原則!自分でできる簡単な方法も解説
EFO対策を行う上での基本は「ユーザーの手間を軽減」「ユーザーが入力しやすく改善」「ユーザーのストレスに配慮する」の3原則。あくまでもユーザーとしての視点に立って、自分なら先へ進もうと思えるか?を考えなければなりません。
⒈ユーザーの手間を軽減する施策
・入力項目は最低限に絞る
・クッキーに情報を記憶できるようにする
・住所欄は自動入力アシストを活用
・アドレス欄にはサジェスト機能を導入
・ページを閉じようとするとポップアップが表示されるようにする
・入力エラーはリアルタイムで指摘
まず、ユーザーの手間を軽減するため、入力項目は極力「これだけは必要なものだけ」に絞ります。住所欄やアドレス欄には、郵便番号やドメイン前までを入力したらあとは自動で記入できるアシスト機能を利用。
入力エラーは確認ページで改めて表示される形式ではなく、その場で修正できるように。また、ポップアップによって入力中はページを閉じられなくすることで、誤って途中で別ページに跳んでしまい「もういいや」と思われるリスクを減らしましょう。
⒉ユーザーが入力しやすくする施策
・入力フォームは“氏名”から
・スマートフォンやタブレット端末での利用を考え、枠は大きめに
・入力例を枠内に 例)として掲載しておく
・メールアドレス入力は1回のみにする(確認のため2回、は面倒な印象に)
・すっきりとしたページ構成や色を心がけ、ごちゃごちゃした印象を与えない
まずは一番面倒なアドレス入力を先にして負担を軽減、という考えもありますが、項目欄は基本的には「氏名から」にした方が、ユーザーからは取っつきやすく見えるようです。
また、ふりがなや生年月日を求める場合は、入力例を枠内に入れておくとどのような形式(ひらがなかカタカナか、漢数字かアラビア数字かなど)かがひと目で分かります。
⒊ユーザーのストレスに配慮した施策
・全角/半角表記や記号など、細かい部分でエラーが起きないようにする
・必須項目は分かりやすく明記
・入力完了までの流れを示す
・送信ボタンを目立たせる
・フォーム以外の余計なリンクが見えないようにする
・キャンセル・クリアボタンを外す
最後に、ユーザーのストレスを軽くするためには必須項目を赤字や米印などで強調、全角/半角表記や記号といった細かい制約でエラーにならないよう注意するなどが挙げられます。
送信ボタンは「戻る」ボタンより大きく目立たせ、キャンセルやクリアボタンは万が一誤って押してしまった場合、一からの入力になってしまい余計なストレスを与えがちなため外しましょう。また、入力フォームの上部に「次は確認ページ、その次は送信ページ」と流れを示す方法も、ユーザーにとって安心感が増す要素に。
気付いた時から簡単にできるEFO対策も!
このように、EFO対策にはそのサイトに訪れるユーザーに合わせ、様々なものが考えられます。しかし、一度に改善しなければならない場合はなかなか骨が折れますよね。そこで、まずは自力で簡単にできるEFO対策として「2つ」押さえておきましょう。
その① 利用規約の同意が必要なら、入力フォーム内に記載する
資料請求や商品の購入を行う際、個人情報の取り扱いやサイト運営の方針上「利用規約」への同意が必要、ということもありますよね。しかし、例えば入力フォームへの記入が終わり、次のページに跳んだ時「利用規約をお読みください」と言われたらどうでしょうか?
これは本来利用規約をしっかり読んで欲しいとの狙いから行われがちな施策なのですが、正直今更確認するのは面倒、と思ってしまい、ページから離脱する人も多いようです。利用規約は出来る限り入力フォーム内に設置し、チェックを入れたらそのまま次へ進めるようにしましょう。
その② 確認ページは分かりやすく、サンクスページも有効活用
入力が終わったら、通常は確認ページへ進みます。ですが、実はここで既に送信が完了されたものと勘違いし、離脱する人も意外といるのだそう。そこで有効とされているのが「確認ページに“まだご注文は完了していません”といったメッセージを記載する」施策です。
まだ確認ページであることを強調することで、ユーザーにとっても分かりやすく安心できます。また、送信完了後のサンクスページ(“ご注文ありがとうございます!”等のメッセージが出る場所)にお客様番号の控えや送付予定物、到着目安などを載せるのも親切と言えるでしょう。
自力でのEFO対策に不安があれば「サポートツール」を利用しよう
EFO対策は自力でも可能ですが、効果的に期待値に到達できる方法がよく分からないという方も多いでしょう。そこで昨今ではデータ解析も含め、EFO対策をサポートしてくれるツールも登場しています。今回は代表的なものを挙げてみましたので、以下をご覧ください。
・EFO CUBE
株式会社GeeeNが提供しているEFO対策ツール。26種類もの入力フォームの補助機能が搭載されており、詳細なデータ解析が可能です。同ツールの中では高額ですが、満足のいく結果が得られなかった場合は全額返金保証も利用できます。
・Gyro-n EFO
株式会社ユニヴァ・ジャイロンが提供するEFO対策ツール。1か月間の無料トライアルが利用できるので、気軽に利用することが可能です。導入実績も豊富で、詳細なデータ解析&19種類の補助機能が魅力。
・GORILLA EFO
初期費用30,000円、月額9,800円と比較的リーズナブルで、新潮社やロート製薬といった有名企業での導入実績もあるEFO対策ツール。不動産や教育、EC業界の分析が得意で、入力フォームをチャット形式にすることも可能です。
専用ツールが用意されていることからも、EFO対策が企業にとっていかに重要視されているのかが分かりますね。
特にネット通販サイトの場合、最終的な売上はEFO対策のもと高められた「コンバージョン率」と「インプレッション数(広告効果)」、「クリック数」、「LTV(顧客生涯価値)」の掛け算によって決まるとも言われていますから、まずは自社の入力フォームのどこに工夫できる点があるかを考えてみましょう。