単品リピート通販における「医療・健康アップデート」とは
医療・健康アップデートというのはGoogleの検索アルゴリズムの評価方法を改善したもので、医療・健康アップデートという名前が示すように医療や健康に関する検索結果にのみ影響するものとなります。
この医療・健康アップデートにより医療・健康といった分野の検索クエリの60%に影響を与えたともいわれていて、従来の検索結果では信頼性の高い情報が検索結果の上位に上がっていないとGoogleが判断し、Google側としてはより信頼性が高く有益な情報を検索結果の上位に表示させるために今回の医療・健康アップデートを行ったという事です。
単品リピート通販における医療・健康アップデートについては、単品リピート通販自体のサイトではなく、通販のアフィリエイト広告を出しているアフィリエイトサイトに影響があり、個人で運営しているアフィリエイト広告を貼っていたサイトのうちかなりの数がこの医療・健康アップデートにより検索順位を下落させる形となりました。
下落したサイトの特徴を見るとコンテンツSEOに注視していたサイトが多く、過剰にSEO対策をしたが故に内容が伴っていないと判断されたサイトは軒並み検索順位を落とす結果となりました。
何故、Googleは日本だけローカルアップデートをしたのか?
Googleが日本だけローカルアップデートをした理由としては、いわゆるWelQ問題がきっかけと言われています。
このWelQ問題というのはWelQというキュレーションサイトが上場企業のサイトであるにも関わらずパクリなどの著作権侵害を始めとして、薬機法や医療法、健康増進法に違反した記事が多数掲載されていたというのが問題になりました。
これらの問題が起きた原因というのが不特定多数のライターから記事を大量募集したのが原因と言われていて、こういったライターが他のサイトから記事をコピペしたり、元ある記事をリライトしただけのものといった質の低いものであるにも関わらずそのままWelQのサイトに掲載してしまったのが問題となり、WelQ問題をきっかけとしたキュレーションサイトに対する騒動というのはその後も広がり続け、サイトを利用するユーザー側が次々とパクリコンテンツを見つけていったという事もあり、WelQ以外のキュレーションサイトも次々と閉鎖する流れが続いてきました。
ですがその後も違法性のあるサイトは生まれ続けて来た上に、そういったサイトがSEO対策をして上位表示をしていました。またキュレーションサイトだけには収まらず、日本ではキュレーションサイト以外の個人サイトであっても特に医療・健康クエリにおいては違法性のある記事を掲載しているサイトが元々多いという事もこの騒動でGoogleを利用するユーザーが知るところとなった結果、ユーザー側からはGoogleで上位表示されているサイトは信用する事が出来ないといった流れが強まってきて、Googleに対して検索順位の改善を求める声というのは徐々に大きくなったと推測されます。
通常検索アルゴリズムの改善というのは全世界同時に行う事が多いのですが、この医療・健康アップデートに関しては日本のGoogleのみにおける問題だったという事、またGoogleに対して検索順位の改善を求める声が多かったという事もあり、医療・健康クエリに対して日本のみのローカルアップデートという形で行う事になったようです。(因みにローカルアップデートで日本だけはGoogleで初めての試み)
こうして行われた医療・健康アップデートですが、従来行われた検索アルゴリズムの改善に比べても影響力というものは非常に大きく、医療・健康クエリに関わっていたサイトの半分以上がこの検索アルゴリズムの改善に巻き込まれたともいわれています。また通常こういった検索順位の変動を受けるのは個人サイトが中心となりますが、このローカルアップデートの場合には個人サイトに限らずWelQのような大型メディアであってもパクリコンテンツが中心に運営されていると判断されたサイトは軒並み順位を落とす形となりました。
WelQ問題で違法性が指摘されていた様々なサイトが検索アルゴリズムの改善に順位を落とす一方で、逆に順位が上がったサイト等のが医療従事者や専門家が提供しているとわかるような信頼性の高い記事を中心に載せているサイトで、こうしたサイトを検索結果で上位にしていく事で日本におけるGoogleの検索エンジンに対する信頼性を取り戻そうとしたと言えます。
アフィリエイターサイトの単価順ランキングサイトの問題点
単品リピート通販において欠かせないのがアフィリエイターサイトで、もちろん良いアフィリエイトサイトというのもたくさんあるのですが、中には問題を抱えたアフィリエイトサイトというのも存在します。
特に問題のあるアフィリエイトサイトで多いのが単価順ランキングサイトというもので、医療・健康アップデートでもこれら単価順ランキングサイトは大幅に順位を落としたものが非常に多く、理由としてアフィリエイターが作るサイトの設計思考が、報酬単価が高い順に広告のランキングを決める、いわゆる単価順ランキングサイトというもので、その多くがコンテンツに重きを置くというよりは、いかに報酬単価の高い商品を売るかという事に特化しているからです。
そうした単価順ランキングサイトの場合1位のものが圧倒的に売れるという事がほとんどで、2位以降の商品というのは見る側からすれば1位のものに比べて何かが劣っているのだろうなと考えてしまいます(1位のエビデンスがない)。
仮にランキングサイトを作りなら「成分が良い」「価格が安い」「保証期間が長い」など切り口によって順位が変動すると思われますが、該当サイトの実態というのは単純に報酬単価が高いものを並べているだけですので、実際には2位の商品の方が1位の商品よりも良いものの可能性があるのですが、アフィリエイターは報酬単価を優先します。
また他のアフィリエイターも同じ報酬単価で広告を貼りますので、全員が報酬単価が高い広告を1位に推す事で、見る側からすれば1位の商品は凄いものなのだと思うようになり、それ以外の商品はせっかく広告を出しているのにむしろ評判を落とされてしまっているという形にもなりかねません。酷いパターンでしたら1位の商品を買ってもらおうとするあまり2位以降の商品については悪い点ばかり紹介している単価順ランキングサイトというものもあります。
これにより1位の商品を紹介してもらっている広告主としては何も問題ありませんが、2位以降の商品が悪い所ばかり紹介されますので、とてもランキングサイトとして正常に成り立っている状態とは言えません。また報酬単価が高い商品を何とかして売ろうとするが故に、特に医療・健康のジャンルの場合薬機法違反に違反した単価順ランキングサイトというのも非常に多く目立ちます。
薬機法違反は立派な法律違反なのですが、単価順ランキングサイトは参入しやすい分アフィリエイター側の意識からすればどうしても法律に対しての意識が薄れてしまい、薬機法違反に対しての意識というものも当然薄くなってきます。他にも誇大宣伝をしている単価順ランキングサイトも非常に目立ち、ランキングサイトにも関わらず実質報酬単価が高い広告だけを宣伝してしまっているような形になっているという場合も多いです。
そうなりますとコンテンツの信頼性よりも報酬単価が高い商品を売る事ばかりに重きを置いてしまっている場合が多いです。そもそもコンテンツにすらなっていない場合も多く、単価順ランキングサイトの中にはただ広告を貼っただけでサイトの中身自体は他のサイトからのコピペであったり、コピペでなくても記事をリライトしただけのものをそのまま載せていたりといったケースもあります。
もちろんこういった行為というのは著作権違反に繋がる事が殆どで、薬機法違反と同じく法律違反なのですが薬機法違反についての問題と同様、アフィリエイターで法律に対する意識が少ない人が多いため、特に単価順ランキングサイトのような商品を売る事に特化したサイトではこうした問題が後を絶ちません。またそもそもアフィリエイト広告を出していない商品を悪い商品として紹介し、報酬単価が高い商品を良い商品として紹介するケースもあるなどの問題もあります。
単価順ランキングサイトはアフィリエイターにとって作りやすいサイトですので非常に多い形のサイトではあるのですが、医療・健康アップデート以降はこの分野における単価順ランキングサイトというのは上位表示しにくくなっています。もちろんアフィリエイター側の意識を改善する事で解決する問題で、今回の医療・健康アップデートにより中身のない単価順ランキングサイトが順位を落としましたので、将来的にはこのアップデートに合わせた単価順ランキングサイトが増えていく事により問題点が解決していく可能性もあります。
「医療・健康アップデート」のまとめ
医療・健康アップデートは日本独自のローカルアップデートで、医療・健康ジャンルにおいての検索クエリに対して非常に大きな影響を与えたアップデートとなりました。
通常の検索アルゴリズムの改善は全世界同時に行われますが、この医療・健康アップデートが日本独自で行われたローカルアップデートという事で、それだけ今回のWelQ問題を始めとした問題のあるキュレーションサイトや、薬機法違反などの法律遵守が出来ていないアフィリエイトサイトが多かったという事になります。
また個人サイト以外の検索順位の変動というのは少ないのですが、今回の医療・健康アップデートでは法人が所有しているサイトでも法令遵守が出来ていないサイトは検索順位が下落しました。こうしたアップデートが起きた後のサイト作りにおいて、一番大切なのは法令遵守の意識を一層高めてサイトを作るという事です。
というのも一度こうしたアップデートが起きますと、今後はそれを基準に検索順位が変動しますので、医療・健康アップデートの基準に合っていないサイトというのは上位表示がしづらくなります。そして医療・健康に対して正しい知識を持ってサイトを作る事もアップデート後は一層重要となり、これまでは文字数を稼いだだけで中身が無くてもSEO対策になっていましたが、今後は中身の無いコピペが中心のサイトというのは検索順位で上位に上がるというのはかなり難しいですし、上がったとしても安定する事はありません。
もちろん単品リピート通販側のサイトの方に対しても正しい知識と法令遵守がより大事になりますので、今後健康食品や化粧品業界自体もそういった部分を守ったサイト作成が一層求められます。