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LINE公式アカウントの分析機能の使い方|見るべき指標と改善アクション

LINE公式アカウントの分析画面は、開けば数字が並んでいます。ただし、それぞれの数字が何を数えたものかを知らないまま読むと、施策の判断を誤ります

たとえば開封率とクリック率は、公式マニュアル上で分母が違います。開封率は「開封数を配信数で割った値」、クリック率(吹き出し単位)は「クリック数をインプレッション数で割った数」です。この2つを並べて「開封した人のうち何%が押したか」と読むことはできません。

この記事では、各指標の定義を公式マニュアルの記載に沿って確認したうえで、月1回どこを見て何を変えるかまで落とし込みます。数字が「ー」や「0」で表示される仕様についても扱います。

この記事の要点(3行まとめ)

  • 友だち追加数は減らない累計値。実態はターゲットリーチ(ブロック・属性不明を除いた数)で見る
  • 開封率とクリック率は分母が違う。並べて割り算しない。開封は「吹き出しの100%表示時」にカウントされ、既読とは別
  • 結果が20未満だと数字が表示されない。小規模アカウントで数字が出ないのは仕様

この記事が向いている人 / 向いていない人

向いている人

  • LINE公式アカウントを数か月以上運用していて、配信の効果を確認したい担当者
  • 分析画面の数字が何を意味しているのか自信がない人
  • 数字を見て次に何を変えるかまで決めたい人

向いていない人

この記事の目次

LINE公式アカウントの分析画面でわかること一覧

分析画面は管理画面の「分析」から開きます。公式マニュアルには「『メッセージ』『友だち』『チャット』の概要が確認できます」「分析画面は比較、グラフ、リストで構成されています。数値の反映タイミングは各機能により異なります」と記載されています。

反映タイミングが機能ごとに違う点は最初に押さえてください。同じ画面の数字でも、更新の速さが揃っていません。

LINE公式アカウントの分析を見る順番を4ステップで示した図

見られるレポートの種類

レポート 主に見られること
友だち 友だち追加数、ターゲットリーチ、ブロック数
友だち(属性) 性別・年齢・地域の分布(推定値)
友だち(追加経路) QRコード・検索・広告などの流入元
メッセージ配信 配信数、開封数、クリック数など
チャット 送受信数
リッチメニュー タップ数、エリア別の反応
クーポン 開封数、使用数
ショップカード 発行枚数、ポイント付与数、特典利用数
プロフィール ページビュー、ユニークユーザー数
LINE VOOM インプレッション、クリック数、フォロワー数

見る順番は3つに固定する

全部を毎回見る必要はありません。「増えているか」「減っていないか」「押されているか」の3点に絞ると、月1回15分で回せます。

  1. 増えているか:友だち追加数と追加経路
  2. 減っていないか:ブロック数とターゲットリーチ
  3. 押されているか:配信のクリックユーザー数

メッセージ通数は分析画面とは別で管理する

配信通数(課金対象)はプランの上限に関わります。通数の考え方はLINE公式アカウントの料金プラン比較にまとめています。分析画面の「配信数」とプラン上の「メッセージ通数」は数え方が違うため、混同しないでください。

「友だち」レポートの見方|友だち数とターゲットリーチは別物

友だちの状態を見るときは、友だち追加数ではなくターゲットリーチを主指標にしてください。友だち追加数は累計値で、ブロックされても減りません。

友だち追加数・ターゲットリーチ・ブロック数の関係を示した図

3つの数字の関係

公式マニュアルには「友だち追加数、ターゲットリーチ、ブロック数の確認が出来ます」とあります。この3つは次の関係にあります。

指標 何を数えているか 注意点
友だち追加数 一度でも友だち追加した累計 ブロックされても、相手がLINEを退会しても減らない
ブロック数 友だち追加後にブロックした数 追加数からこれを引いても実態にはならない
ターゲットリーチ 属性が判定でき、ブロックしていない友だちの数 配信の実際の母数に近い

つまり、ターゲットリーチ = 友だち追加数 −(ブロック数+属性不明の数)という関係になります。「友だち5,000人」と言っていても、ターゲットリーチが3,000人なら、配信が届く実態は3,000人規模です。

増減より「差」を見る

友だち追加数だけを追うと、右肩上がりのグラフしか見えません。追加数とターゲットリーチの差が開いていくなら、ブロックか属性不明が増えています。

ブロックが増えている場合の打ち手はLINEのブロック率を下げる7つの設計術にまとめています。

397日分まで遡れる

公式マニュアルには「直近7日分が表示され、過去最大397日間まで選択可能」と記載されています。1年前の同じ月と比べられるということです。季節変動のある業種は、前月比ではなく前年同月比で見てください。

属性と追加経路の見方|「みなし属性」は推測値である

属性データは実際に登録された情報ではなく、推測で付与された値です。ここを実データだと思って施策を決めると外します。

みなし属性とは何か

公開されている解説では、みなし属性は「ユーザーが保有するLINEスタンプや友だち追加しているLINE公式アカウント、LINE内での行動履歴などから、推測で付与された属性情報」と説明されています。項目は友だち期間・性別・年齢・OS・地域の5つです。

つまり分析画面の「女性60%」は、女性だと推定された人が60%という意味です。実際の顧客名簿の比率とは一致しません。

「不明」が多いのは異常ではない

公式マニュアルには「ターゲットリーチが少ない場合、判定可能なユーザーが少なく、不明となる場合がございます」とあります。LINE内の行動データが少ないユーザーは判定できず、不明に分類されます。

属性は「概ね3日前の数値」

公式マニュアルに「表示されている情報は概ね3日前の数値」と明記されています。配信直後に属性の変化を見ても意味がありません。

属性配信にはターゲットリーチ100人以上が必要

属性で絞り込んで配信するには、ターゲットリーチが100人以上必要とされています。友だちが少ないうちは属性配信そのものが使えません。絞り込みの設計はLINEセグメント配信の設計方法で解説しています。

追加経路は「20回以上」から

友だち追加経路のデータは、公式マニュアル上「20回以上の友だち追加」が基準として用いられています。経路ごとの追加が少ないと集計に現れません。

経路が分かると、どの導線に投資すべきかが決まります。導線の作り方はLINEの友だちを増やす10施策にまとめています。

「メッセージ配信」レポートの見方|開封率とクリック率は分母が違う

ここが本記事で最も重要な部分です。開封率とクリック率は、公式マニュアル上で分母が異なります。

各指標の定義(公式マニュアルの記載)

指標 公式マニュアルの定義
配信 メッセージが送信された人数
開封 メッセージを開封された人数(吹き出しの100%表示時にカウント、重複計上なし)
クリックユーザー メッセージ内のいずれかのURLをクリックした人数
再生開始ユーザー メッセージ内のいずれかの動画/音声の再生を開始した人数
再生完了ユーザー メッセージ内のいずれかの動画/音声を最後まで見た人数
開封率 開封数を配信数で割った値
クリック率(吹き出し単位) クリック数をインプレッション数で割った数

並べて割り算してはいけない

開封率の分母は配信数、クリック率の分母はインプレッション数です。分母が違う2つの割合を、そのまま比較したり掛け合わせたりできません。

  • 誤り:「開封率30%・クリック率5%だから、開封した人の6分の1が押した」
  • 正しい:クリックユーザー数(実数)を配信数と並べて見る

率で比べたいときは、分母を揃えた自分の指標を作ってください。たとえば「クリックユーザー数 ÷ 配信数」なら、開封率と同じ分母で比べられます。

「開封」は既読ではない

公式マニュアルには「吹き出しの100%表示時にカウント」「トークルーム未開での既読は対象外」と記載されています。トークリストの通知だけを見て内容を把握された場合は、開封としてカウントされません。

したがって開封率は「読まれた率」ではなく、「トークを開いて吹き出しが画面に収まった人の割合」です。数字が低くても、内容が届いていないとは限りません。

集計は14日間

配信から14日間集計されます。それ以降に押されたクリックは反映されません。長期的に効く配信(保存版のまとめなど)は、この指標では過小評価されます。


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数字が出ない・合わないときの原因

「数字が出ない」の大半は不具合ではなく仕様です。次の4つで切り分けてください。

分析画面を読み違えないためのチェックリスト

原因1:結果が20未満

公式マニュアルには「結果が20未満(1〜19)の場合、配信は実数値、開封は『0』表示、他指標は『ー』表示」と記載されています。

配信対象が少ないアカウントでは、開封数が常に0と表示されます。壊れているわけではありません。この状態では配信の良し悪しを数字で判断できないため、まず友だちを増やす段階です。

原因2:配信直後は推定値

公式マニュアルによると、配信直後24時間は約30分刻みで更新され、その値は推定値で約1%の誤差があるとされています。その後は1日ごとの更新です。

配信して10分後の数字で一喜一憂しないでください。判断は翌日以降に行います。

原因3:属性は3日前の数値

前述のとおり、属性情報は概ね3日前の数値です。直近の変化は反映されていません。

原因4:機能ごとに反映タイミングが違う

公式マニュアルに「数値の反映タイミングは各機能により異なります」とあります。友だち数と配信結果を同じ時点の数字として突き合わせると、ずれます。

機能別レポートの使いどころ

配信以外のレポートは、特定の施策の効果を確かめる場面でだけ開けば十分です。毎月全部を見る必要はありません。

リッチメニュー

タップ数とエリア別の反応が見られます。押されていないエリアが特定できるのが最大の価値です。押されないエリアはラベルを変えるか、別の導線に差し替えます。設計はLINEリッチメニューの完全ガイドにまとめています。

クーポン

開封数と使用数が見られます。開封は多いが使用が少ないなら、条件が厳しいか、使う場面が伝わっていません。

ショップカード

発行枚数・ポイント付与数・特典利用数が見られます。発行だけ多く特典利用が伸びない場合、ゴールまでの距離が遠すぎる可能性があります。設計の考え方はLINEショップカードの使い方を参照してください。

プロフィール

ページビューとユニークユーザー数が見られます。友だち追加前に見られる画面なので、追加率の手前の指標として使えます。

あいさつメッセージ

友だち追加直後の接触です。配信レポートとは別に効果を確認し、文面を更新してください。テンプレートはLINEのあいさつメッセージ テンプレートにまとめています。

指標と改善アクションの対応表

数字を見るだけでは何も変わりません。指標が悪いときに何を触るかを先に決めておきます。

月1回の分析ルーティン5ステップ

対応表

症状 疑う原因 最初に触るもの
友だち追加数が伸びない 導線が足りない・経路が偏っている 追加経路レポートで弱い経路を特定し、店頭・Web・SNSの導線を追加
ブロック数が増えている 配信頻度・内容のミスマッチ 配信頻度の上限を決め直す/セグメントを絞る
ターゲットリーチが伸びない ブロックか属性不明が増えている ブロック要因の見直し(頻度・時間帯・内容)
開封数が伸びない 1通目の冒頭が弱い・配信時間帯 冒頭の1行と配信時間を変える
クリックユーザーが少ない リンクの位置・ボタンの分かりにくさ リンクを上部へ移動/ボタン形状を明示
リッチメニューが押されない ラベルが抽象的・配置が悪い 押されないエリアのラベルを具体語に変更
クーポン使用が少ない 条件が厳しい・使う場面が不明 有効期限と利用条件を見直す

配信頻度の決め方はLINEの配信頻度の決め方、業種別のKPI設計の例は自由診療クリニックの計測KPI 9選が参考になります。

月1回のルーティンにする

毎日見ても判断は変わりません。月1回、同じ日に、同じ3指標を見ると決めてください。前年同月と比べられるよう、記録も残します。

[要一次情報] Lキテ支援先における配信の開封率・クリックユーザー率の分布、および上記の打ち手を実行した際の前後比較について、実測データが提供され次第このセクションに追記します。

標準機能でできないことと、その先の計測

分析画面で分かるのはLINEの中で起きたことまでです。LINEをタップした後にWebサイトで何が起きたかは追えません。

追えないこと

  • 配信をクリックした人が予約・購入まで進んだか
  • どの配信が売上につながったか
  • 友だち追加からコンバージョンまでの期間

追うには計測を足す

LINE TagとGA4、UTMパラメータを組み合わせると、配信のクリックからサイト内のコンバージョンまでを追えるようになります。実装の手順はLINE TagとGA4の計測設計にまとめています。

ただし計測を足す前に、標準機能の数字を正しく読めている必要があります。分母の違いを理解しないままツールを増やすと、混乱が増えるだけです。

よくある質問

Q1. 友だち数とターゲットリーチはなぜ数が違うのですか

友だち追加数は一度でも追加した累計で、ブロックされても減りません。ターゲットリーチは属性が判定でき、かつブロックしていない友だちの数です。配信の実態に近いのはターゲットリーチです。

Q2. 開封率が「0」と表示されるのはなぜですか

結果が20未満(1〜19)の場合、公式マニュアル上、配信は実数値、開封は「0」表示、他指標は「ー」表示になります。配信対象が少ないことによる仕様で、不具合ではありません。

Q3. 開封率とクリック率を並べて比べていいですか

比べられません。開封率は「開封数を配信数で割った値」、クリック率(吹き出し単位)は「クリック数をインプレッション数で割った数」で、分母が違います。率で比べたい場合は「クリックユーザー数 ÷ 配信数」を自分で計算してください。

Q4. 属性データはどこまで正確ですか

みなし属性は、LINE内の行動履歴などから推測で付与された値です。実際に登録された情報ではありません。傾向をつかむ用途には使えますが、顧客名簿の代わりにはなりません。また表示されるのは概ね3日前の数値です。

Q5. データは何日前まで遡れますか

友だちのレポートは直近7日分が表示され、過去最大397日間まで選択できます。メッセージ配信の結果は配信から14日間集計されます。

まとめ

LINE公式アカウントの分析画面を読むうえで、押さえるべき点を整理します。

  • 友だち追加数は累計値で減らない。実態はターゲットリーチで見る
  • 属性はみなし属性=推測値。概ね3日前の数値で、属性配信にはターゲットリーチ100人以上が必要
  • 開封は「吹き出しの100%表示」でカウント。既読とは別で、「読まれた率」ではない
  • 開封率とクリック率は分母が違う。並べて割り算しない
  • 結果が20未満だと数字が表示されない。配信直後24時間は推定値
  • 見るのは月1回、「増えているか・減っていないか・押されているか」の3点
  • Webサイトのコンバージョンまで追うには計測を足す

まず今月の分析画面を開き、友だち追加数とターゲットリーチの差を確認してください。ここが開いているなら、配信の中身より先にブロック要因を潰す段階です。


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