心理的にはたらきかける!2ステップマーケティングを活用しよう

マーケティングの手法として代表的なものに「ワンステップマーケティング」と「2ステップマーケティング」があります。特にネット通販業界では後者の2ステップマーケティングが使用されることが多いですが、一体なぜなのでしょうか?

今回は2ステップマーケティングの仕組みやメリット・デメリットを中心に、具体例なども詳しく見てみましょう。

ワンステップマーケティングと2ステップマーケティングの違いは?

ワンステップマーケティングと2ステップマーケティングは、主に顧客へのアプローチ方法に違いがあります。

ワンステップマーケティング

簡単に言えば、「顧客との接触が1段階のみ」となるマーケティング手法です。例えばユーザーが販売店やネット通販サイトに足を運んだ際、その場ですぐに目当てのものを見つけて購入できるよう工夫する、という方法ですね。

ワンステップマーケティングは即売上に繋げられる手法ですが、元々知名度が高い商品やユーザーにとって緊急性のある商品を取り扱っていなければ売れにくい、という側面もあります。初回購入で大幅な(70%以上等)割引を行う、豪華な特典をつけるといった対策もあるものの、その後継続されなければ損失になってしまうため、リスクが大きいのです。

2ステップマーケティング

ワンステップマーケティングに対し、「顧客と2段階の接触を行う」のが2ステップマーケティング。今回はオフライン、オンラインそれぞれのシーンで、具体例を確認してみましょう。

オフラインの場合

・アパレルショップで、試着を行ってから洋服を購入する

・化粧品コーナーで、テスターを試してから(またはタッチアップを受けてから)購入する

・試食コーナーで、商品を実際に食べてみて気に入ったら購入する

オンラインの場合

・化粧品のネット通販で、サンプルを取り寄せてから購入を決める

・靴の通販で、いったんサイズが合うかお試し利用してから購入する

・携帯ゲームや動画配信サービスで無料のトライアル体験を利用し、継続を決める

上記の通り、その場で購入やサービス継続を決めるよう促すのではなく、いったんトライアルやサンプルを利用してみてから考えてもらう、という方法ですね。

2ステップマーケティングはしばしば恋愛にも例えられますが、会ったその日に交際を申し込んで成功するのは元々向こうから好意を持たれていた場合や、余程魅力的に見える場合のみ。一般的にはまずデートに誘い、自分を知ってもらう必要がある…と言えば、その重要性が窺えるのではないでしょうか。

2ステップマーケティングのメリット&デメリットは?

2ステップマーケティングには、特にネット通販事業において長所となるメリットがたくさん。しかし、一方でデメリットも存在するので、注意しなければなりません。

メリット① 「認知」から「興味・関心」へと一気に繋げやすい

ワンステップマーケティングだとまずは購入、となってしまうので、今自分に必要なければ興味を持たれにくいのがネック。しかし、2ステップマーケティングなら例えば「まだ美容液残ってるけど、無料なら1回別のを使ってみようかな」「健康食品には興味ないけど体調は気になるし、もらえるなら1回試してみようかな」と、特に緊急性のない商品でも関心に繋げやすいのが魅力です。

メリット② CPO効率が高い

2ステップマーケティングは申し込みが無料なので、初回購入が必要な商品と比べると圧倒的に問い合わせのハードルが低く、CPO(新規顧客獲得にかかった広告単価)効率に優れているとも言われています。見込み客が多ければ、その分本商品購入にも期待が持てますよね。

メリット③ LTVが安定しやすい

2ステップマーケティングはあらかじめ無料サンプルやトライアルでその商品に納得してから購入、という流れなので、本購入に至った後はリピート率が高くなる傾向があります。1回だけたくさん買った人よりも、商品ひとつであれ毎月継続して買ってくれている人の方が最終的なLTV(顧客生涯価値)は上になる可能性が高いですから、優良顧客を獲得しやすい手法と言えるでしょう。

メリット④ 定期コースの獲得率も高い

リピート率が高いということは、それだけ「定期的に届いてくれたら助かる」人の割合も大きくなるということ。そのため、2ステップマーケティングは定期コースの獲得率もワンステップマーケティングより高くなる傾向が。定期コース利用の顧客は解約さえしなければ安定した収益をもたらしてくれるので、全体的な売上アップにも繋がりそうです。

メリット⑤ 転売や初回購入目的の顧客を避けやすい

特に、他社で扱わない商品を売る単品リピート通販の場合、転売や初回購入目的の顧客に悩まされる経営者も多いとされています。初回限定で大幅に割引された商品を複数のメールアドレスや連絡先を駆使して何度も購入し、それを高めの金額で転売して利益を出すという悪質な業者もいるのです。

しかし、2ステップマーケティングの場合はサンプル品を大量に獲得したところで利益率が低いので、こういった業者に狙われにくいメリットもあります。

◎デメリットは「時間とコストがかかり、購入までの期間が空く」こと!

このようにメリット多数の2ステップマーケティングですが、逆に「試供品や無料体験を提供するためのコストと時間がかかる」ことには注意しなければなりません。

ワンステップマーケティングの場合は基本的に正規品を用意するだけですが、2ステップマーケティングに使用されるサンプルは特別に作られるものですし、無料体験なら登録から利用終了のお知らせをする手間などがかかりますよね。

また、最初の商品購入までに期間が空いてしまうため、今すぐに売上をアップさせる効果は見込めません。その後安定した収益が得られるよう、現状コストや時間は惜しまずかけるべき、というタイミングで行う必要があるでしょう。

2ステップマーケティングは「心理的効果」を利用したマーケティング方法

そもそも2ステップマーケティングが有効とされるのは、人間の心理的効果へアプローチしやすいと言われているから。そのため、施策として行う際には以下のような法則を利用し、上手く見込み客の意識にはたらきかける工夫が必要です。

単純接触効果(ザイオンス効果/すり込み効果)

会えば会うほど親しみを感じたり、同じ曲を聴けば聴くほど味わい深く思えたり、CMを繰り返し目にするほどにその商品が気になるようになったり…など、接触頻度が増えることで好感度も上昇してゆく、という心理効果。2ステップマーケティングは購入までの接触回数を増やすことで、この法則を有効に利用していると言えます。

一貫性の法則

一度自分が信じたことや人、物などをそのまま信じようとする、という心理的効果です。2ステップマーケティングの場合は無料サンプルで良いと感じて本商品を購入→特に問題ないのでリピート購入→続けた方が便利な気がして定期購入へ…といった段階を踏むたび「自分の意志で続けている」感が強まるため、この法則を利用することで最終的なLTVの向上をはかることができます。

保有効果

これは、自分が使っているもの、持っているものに特別感を覚え、高い価値があるように思える心理的効果のこと。元々高額な商品をサンプルで提供されると「これを見つけられて良かった」と感じますし、使ってみた後にその商品の評判が良い、となればより購買欲が高まります。

商品への興味が強まれば他も合わせて買ってみようかな、と考えることもありますから、クロスセル(関連商品を勧める)やアップセル(ハイグレードな商品を勧める)施策にも有効と言えるでしょう。

2ステップマーケティングには様々な利点がありますが、顧客の心理状態も考慮しながら、ある程度のコストや時間をかける必要があるのですね。取り扱い商品が複数ある会社だと「どの商品をサンプルとして提供するか」の問題も出てくるでしょうから、魅力的に思われやすい商品やお得感が強い商品など、目的を踏まえて吟味したいものです。