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「解約できない」は逆効果!定期購入で新規顧客の獲得率をアップするには?

ECサイトの中でも、特定ジャンルの商品を取り扱う単品リピート通販の場合は「定期購入の顧客をどれだけ獲得できるか」が重要だと言われています。定期購入は毎月安定した収益が入ってくる上、自社に特別な愛着を持ってくれる顧客(ロイヤルカスタマー)の育成にも繋がりやすいため、メリットが大きいのです。

しかし、中には定期購入率をアップさせようと、やや強引な手段に出る会社もいると言います。今回は消費者たちの声(事例)も参考にしつつ、“解約できない”定期購入トラブルのデメリットや、トラブルを起こさないための注意点などを考えてみましょう。

目次

消費者庁でも懸念されている!定期購入の解約できない問題

定期購入はその都度申し込む手間が省け、必要なものが自動的に届くという意味では消費者にとっても魅力的です。そのため、ニーズに応えようと「お試しコースに申し込むと、解約しない限りそのまま自動的に定期購入コースへ入会する流れになる」といった方法を検討している方もいるかもしれません。

ですが、消費者の誤解を促すようなシステムにしてしまわないよう要注意。最近では「お試しだけのつもりが、勝手に定期購入することになっていた!」として、消費者センターに相談する案件が増えているそうなのです。例えばどういったケースが存在するのか、事例を確認してみましょう。

事例① 継続購入のルールが設けられていた

雑誌の広告を見て「健康に良い」「有名人も愛用」などのコピーに興味を惹かれたAさん。初回のみ○○パーセントOFF!とのことで、さっそく電話で商品を注文しました。その後商品を試した結果、自分にとっては継続購入するほどのものではないかな…と2回目の注文はしませんでしたが、何とその翌月にも商品が届いたのです。

もしかしたら手違いで定期購入になっていた?と電話をかけると、何と「3か月以上継続しないと解約できません」と言われたそう。慌てて広告を確認したところ、確かに下の方に小さな文字で契約内容が記載されていたため、やむを得ず購入を続けることに。

事例② 解約しようとしても、電話が繋がらない

ムダ毛に悩み、初回限定1,000円、と謳われた脱毛クリームを注文したBさん。ネットには「いつでも途中解約OK、継続の決まりなし」と記載されており、安心して購入できると思ったそうです。

もし自分に合えば定期購入も検討するつもりでしたが、届いてみると残念ながら思うような効果が得られず、解約の電話をすることに。「解約は電話で、次回発送の〇日前まで」と言われていたので、その通りに連絡しました。しかし、それからいっこうに電話が繋がらず…結局期限を過ぎてしまったと言います。

事例③ 注文した方法での解約ができない

年齢的な身体の衰えもあり、無理なく続けられる健康食品を探していたCさん。ネットで「毎日の食事にプラスするだけで、栄養価が補える」という趣旨のコピーを見かけ、一度注文してみようと思いました。

とりあえずお試しセットを頼んでみたところ、いったんは気に入り継続を決意。広告を再度確認してみると、購入時には気付かなかった「お試しから自動的に定期購入コースに入会」システムが発覚し、やや戸惑いもあったものの「次も届くならまあいいか」と楽観的に考えていたそうです。

ただ、数ヶ月すると徐々に飽きが出てしまい、ひとまず解約することに。ただ、サイトに掲載されていたアドレスにメールすると「無料通話アプリをダウンロードして、そこから手続きを行ってください」と言われ困惑。解約方法が分からず何度も相談してみましたが、なかなか解決できないとか…。

こういった「定期購入トラブル」は消費者庁や各自治体でも問題視されており、政府広報オンライン(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202012/2.html#a1)でも購入の際、以下のようなポイントに気を付けるよう呼びかけられています。

・1回限りor継続的な購入が必要か?
・継続購入の回数は定められているか?
・支払い総額はいくらか?
・解約や返品は可能か?
・解約や返品の条件はどのようなものか?

実際にはデメリットが大きい!解約できない定期購入の注意点

上記のような事例を見ても、解約できずに困った経験のある人はたいてい「一度は支払う」選択をしていることが分かります。特に契約内容にしっかりルールが記載されているケースの場合、誤解はしやすくとも違法性はないため「自分が見落としていたから…」と諦めてしまうようです。

そうなると、やや分かりにくいシステムにしておくのも売上を伸ばすためのひとつの手法、といった考えを持つ人もいるかもしれません。ですが、当然ながら解約できない、解約しにくいサービスは以下のようなデメリットが存在するので、あくまでも顧客ファーストの姿勢を心がけましょう。

デメリット① 再入会のハードルが上がる

お試しコースに入会してくれた人の中には「商品自体は気に入ったけれど、値段的に厳しいからもっと余裕がある時にまた始めよう」と思っているケースもあるかもしれません。しかし、解約したい時にできない、解約しにくいといった特徴があると、再び入会する際のハードルが上がってしまいますよね。

逆に入会、再入会どちらも気軽にできるパターンの方が、顧客も「気が向いたらまた入ればいいや」と切り替えられるので、長期的な信頼を得やすいとの話もあります。

デメリット② 会社への不信感から、継続したいという意志が薄れる

定期購入トラブル、およびそれに準ずる諍いが起こってしまうと、顧客から会社への信頼は格段に下がります。仮に元々お試しを気に入って定期購入を検討していたような人でも、確認した結果勝手に定期購入コースに入会していた、となれば不信感を覚えるでしょう。

たとえ顧客の手間を省くため、という目的であっても「利益優先で、顧客の都合を考えない会社」と誤解されないとは限りませんから、正しいイメージを抱いてもらうためにも解約できないシステムは逆効果だと言えます。

デメリット③ 消費者庁から処分を受ける恐れもある

前述した事例のような相談が増えていることから、近年消費者庁は通販会社における定期購入システムへの規制を強化しています。顧客の意に反して定期購入を促すような行為は、場合によっては法的に違反していると見なされ、然るべき処分を受ける恐れもあるのです。

顧客に信頼されるために!解約トラブルを起こさず、定期購入に繋げるポイントは?

このように、解約できない&しにくい定期購入システムは顧客からの信頼を失うだけでなく、最悪の場合詐欺行為と判断されて法に触れる恐れもあります。では、トラブルを避けて定期購入を促すには、どのようなポイントを押さえるべきなのでしょうか?

お試し&トライアルの後は「ステップメール」で販促する

多くのECサイトでは、お試しコースやトライアルセットが用意されているのではないかと思います。強引に、あるいは自動的に定期購入コースに入会させるのではなく、まずはそれらのコースを試してもらい、あくまでも気に入った人のみが定期購入コースに踏み切れるようにすることが大切です。

かといって、その後何のアクションもしないままだと「定期購入に興味があるのに、どこから申し込めばいいの?」と戸惑いを与えかねませんので、タイミングを見計らってステップメール(販促のため、あらかじめ用意したシナリオに沿って送られるメール)を送信するなどして、顧客の興味を惹けるよう工夫しましょう。

定期購入だけの特典を考える

定期購入コースに入会したくなるような特典を設けるのも、マーケティングとしては有効とされています。例えば継続割引(定期購入は毎回定価より安く購入できる)やお誕生日特典、定期会員だけに送られる会報・サンプルなどですね。

また、会員期間が長い人、特に単価が高い人など、優良顧客向けに特別な贈り物やクーポンを用意するブランドも珍しくありません。正攻法の中にも様々に工夫できるポイントは存在しますから、長期的な目線で顧客との信頼関係構築を目指しましょう。

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