主に飲食店で使われる言葉に「ツケ」というものがありますが、実は通販でも後払いが可能なサービスが存在するって知っていますか?一般的には代引きや着払いが連想されると思いますが、後払いはそれらの支払い方法とも特徴が異なります。
今回は、コンビニ等でも利用できる通販の後払いとは何なのか?をテーマに、消費者から見たメリットや、万が一後払いに対応してもらえなかった場合のショップ運営者が取るべき行動について詳しくまとめてみました。
代引きや着払いとは違う!通販の「後払い」って一体なに?
通販の後払いとは、商品が届いてから料金の支払いをする、というもの。代引きと異なる点は「届いたその場ではなく、後日支払いを行う」ところです。商品に請求書が付帯されるのが一般的で、それを用いて期限内にコンビニや金融機関で支払う形になります。
なぜこんなことができるのか?というと「通販商品の販売者と購入者の間に、後払い決済サービスに対応した仲介業者が入る」から。
商品を郵送してもらうために入力する氏名や住所、電話番号などの情報をもとに与信審査が実施され、問題なければ後払い決済サービスを提供する会社から販売者にあらかじめ料金が支払われます。つまり、購入者が代金を支払う相手は「仲介業者」ということですね。
消費者から見た後払いのメリットは、主に「安心感」
消費者から見た後払いのメリットとして代表的なものは、「クレジットカード情報を提供しなくて済む」点。通販の場合はクレジットカードの方が気軽に支払えますが、その分初めて利用するサイトだと、情報漏えいの危険はないだろうか、と不安になりますよね。
しかし、後払いならそういった情報を提供する必要がないので、安心感があります。しかも、代引きとは違って届いた時にお金を用意しておく手間がかかりませんし、コンビニや郵便局、銀行などで都合の良いタイミングで支払えばOKです。
ただし、後払いには基本的に「審査」が必要!
とはいえ、後払いには前述した通り「審査」があります。仲介業者から信頼に足る人物と見なされなければ後払いは不可能となりますから、注意しておかなければなりません。また、決済手数料がかかる場合も。信用に関わる恐れもあるため、商品が届いたら、期日までに必ず支払いを行いましょう。
意外と多い!後払い通販ができるネット通販の代行会社一覧
では、後払い通販に対応した代行会社について、代表的なものを見ていきましょう。
NP後払い(株式会社ネットプロテクション)
後払いサービスとしては導入実績トップを誇るのが「NP後払い」。独自のポイント制度を設けているのが特徴で、NP後払いを選択すると200円の買い物あたり1ポイントが貯まります。
スコア後払い(株式会社スコア)
https://www.scoring.jp/consumer/
大手ファッションサイトであるニッセンをはじめ、幅広いサイトで導入されているスコア後払い。コンビニ後払いも身近な店舗で可能で、@払いを選択できるネット通販ならどこでも対応しているのが強みです。
GMO後払い(GMOペイメントサービス)
https://www.gmo-ps.com/customer/
幅広い店舗でのコンビニ後払い、および銀行支払いが可能なGMO後払い。元々ショッピングカートやドメイン等ネット通販において身近なサービスを提供しているGMOペイメントサービスが運営していることもあって、信頼度が高いと言えるでしょう。
後払いドットコム(株式会社キャッチボール)
後払い決済をはじめ、サービス業決済やB2B決済など様々な決済サービスを提供している株式会社キャッチボール。コンビニ後払いはもちろん、銀行や郵便局での支払いにも対応しています。
ミライバライ(AGミライバライ株式会社)
https://www.mirai-barai.co.jp/business/miraibarai/
カード会社として知名度の高いライフカードが母体なのが特徴。全国的な店舗でコンビニ後払いが可能です。
クロネコ代金後払い(ヤマトクレジットファイナンス株式会社)
https://www.yamato-credit-finance.co.jp/afterpayment/afterpayment.html
母体はお馴染みの運送会社、ヤマト運輸。全国の主要コンビニエンスストアはもちろん、郵便局でも支払いが可能となっています。
アトディーネ後払い(ジャックス・ペイメント・ソリューションズ株式会社)
カード会社として知られるジャックス・ペイメント・ソリューションズ株式会社が運営しているアトディーネ後払い。コンビニ後払いだけでなく、銀行での支払いにも対応しています。
Paidy(株式会社エクスチェンジコーポレーション)
株式会社エクスチェンジコーポレーションは、元々オンラインのペイメントサービスを提供している会社。メールアドレスと電話番号の登録だけで、クレジット情報を明かすことなく「月イチ決済」が可能なのが特徴です。
商品ごとに期限が設けられているわけではなく、Paidyに対応している通販での買い物なら月に一度まとめて請求が来る、という仕組みになっているため、都度払いが面倒な方にとっても使い勝手が良いと言えるでしょう。支払方法はコンビニ後払い、銀行振り込み、口座振替から選べます。
また、この他にも代表的な運送会社のひとつである佐川急便を利用した後払いサービスも存在するよう。買い物をするサイトごとに仲介業者は異なりますので、念のため確認しておくと良いでしょう。
◎ZOZOTOWNでは、特に有効期限が長い「ツケ払い」もOK!
後払いとよく似た言葉に「ツケ払い」がありますが、ファッション通販大手であるZOZOTOWNでは後払いの期限を2か月まで、と長期に設定することで、このツケ払いに対応しています。
ただし、上限額が決まっているため、注意が必要。他の後払いサービス同様審査も行われますから、しっかり確認してくださいね。
ショップ運営者にとってはリスクも!後払いトラブルには毅然とした対処を
このように、消費者にとっては便利でメリットも大きい後払いですが、ショップ運営者にとっては「いつまで経っても支払いが行われない」という事態を招きかねないリスクがあります。
もし購入者が代金を支払ってくれない場合は、以下のような手順で督促を行うのが一般的。あくまでもはじめは「支払う意志があるかどうか」を見極める気持ちで、強気に出過ぎないように気を付けましょう。
手順① 数回にかけて督促メールを送る
期日までに支払いがないからといって、焦るのは禁物。もしかしたらうっかり忘れていたり、請求書を紛失したりして向こうも困っているかもしれません。
そのため、まずは「1週間に1回」を目安として、1通目で反応がなければ2通目、3通目…といったような形でメールを送りましょう。口調は丁寧に、を心がけるのがポイント。お忘れではございませんか?と呼びかけを行い、最後に「ご入金と入れ違いになった場合はご容赦ください」と入れるのがおすすめです。
手順② 電話や手紙でも督促を行う
2回目でなお反応がない場合は、メールと並行して電話や手紙でも督促を行うのが望ましいと言えます。メールが3通目になるとそろそろ無視されている恐れが出てきますので「このままご連絡をいただけませんと、誠に残念ですが然るべき手段を取らざるを得ませんこと…」という風に、法的措置を匂わせるのも有効です。
手順③ 支払いの意志なしと判断された時は、然るべき措置をとる
それでも連絡がない、入金もされていない、となった際には「内容証明(誰から誰へ送られたか、日本郵便が証明してくれる郵便物)」を送り、簡易裁判所で支払いの督促手続きを行います。
訴訟を検討する場合は、一般的に「少額訴訟(60万円以下のやり取りに対し、金銭の支払いを求める訴訟)」となる可能性が高いでしょう。金額が大きいのであれば、警察に詐欺罪として相談されることもあるようです。