アドレサブル広告はリターゲティングとは違う!メリット&対応している媒体は?

ネットサーフィンをしている時、現代では必ずと言ってよいほど目にする「アドレサブル広告」。自社に興味のありそうな顧客へ的確に広告を出すことができるので、ECサイトはもちろん様々な業界で注目されています。

しかし、一方でアドレサブル広告にはデメリットも?今回は対応している広告媒体や、広告を出したい場合に活用できるサービスなども含めてご紹介しましょう。

目次

自然と画面に出てくるアレじゃない!?「アドレサブル広告」って?

全然関係のない内容のネット記事を見ているのに、なぜか一番下に前回見たサイトの商品が表示されている、もしくは動画を鑑賞していたら、右上に以前調べた商品の最新バージョンの広告が出てきた…なんて経験はありませんか?

説明だけ聞くと、それがアドレサブル広告なのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし、実はそれは「リターゲティング広告」と呼ばれ、アドレサブル広告とは別物なのです。

リターゲティング広告は「1度でも自サイトへ来訪したユーザー」に向け、サイトを離脱した後もcookieを活用することで追跡を行い、興味を持てそうな広告を示すというもの。アドレサブル広告はそこから更に進化し、「既に1度でも購入してくれた、または確実に興味を持ってくれた」顧客データ(CRM)をもとに広告を展開する方法と言えます。

つまり、広告を出すユーザーをより厳選するということ。アドレサブル広告はcookieではなく、以下のような仕組みで顧客情報を活かすのも特徴です。

◎アドレサブル広告は、主に「メールアドレス」を用いた仕組み

アドレサブル広告を展開するには、まず自社が保有する顧客のメールアドレス、電話番号などのデータが必要です。一般的にはこれをAD2と呼ばれる専用ツールへアップロードし、媒体(Yahoo!やGoogleなど)が保有するメールアドレスと照合させて顧客をグループ分けし、それに合わせ広告を配信するという仕組みとなります。

広告代理店を通して広告を配信する、という手法もありますが、それだとCRMデータそのものを代理店に開示しなければならなくなることも。そうなるとセキュリティ面での懸念も出てくるとのことで、2018年に開発されたのが上記の「AD2」です。

メールアドレスをアップロードし、他媒体と繋がるという仕組みから、AD2もセキュリティ面では同等のリスクがあると考えられがち。ですが、AD2ではアップロードした個人情報はすべて暗号化、広告配信の際はハッシュ化(別の値に置き換え)して照合を行うため、プライバシーの面でも心配ありません。

参考:https://www.synergy-marketing.co.jp/company/pr/press/2018/0201130048_9059.html

(顧客データを活用した広告連携ツール 「AD2(アドツー)」提供開始:シナジーマーケティング株式会社)

アドレサブル広告のメリット&デメリットを確認しておこう

アドレサブル広告は、顧客のプライバシーに配慮しつつ適切なマーケティングが行えるという意味で大きなメリットがあります。具体的には、以下のようなものが挙げられるでしょう。

メリット① 費用対効果が高く、他社との差別化も図れる

まず、アドレサブル広告は自社のブランドや商品に元々興味が強い顧客に対して適切なアプローチを図れるため、高い費用対効果が見込めるという点が最大のメリットです。特に優良顧客をグループ分けしてターゲティングを行えば、まだブランドや商品の魅力に気付ききれていないそれ以外の層にも特化した広告を打ち出すことができ、コンバージョンに繋がりやすい可能性があります。

メリット② 新規顧客獲得に有利

CRMを分析して優良顧客になりやすいユーザーの特徴を抽出し、それに当てはまる対象へ広告を配信すれば、本購入や問い合わせに繋がりやすくなります。リターゲティング広告と比べるとユーザーが限定されますから、見込み客から悪感情を抱かれにくい側面も。

メリット③ 既存顧客に絞った広告配信もできる

アドレサブル広告では、既存顧客に絞った広告配信も可能。例えばブランドの象徴となるような商品の魅力を伝える広告は、どちらかといえば新規顧客を獲得するためのものですよね。既存顧客の場合はその商品を既に購入した上で、更なる別の魅力を求めていると考えられるため、シーズン商品や合わせて使うとより効果が期待できる商品など、そういった人々に向けた広告を工夫することもできます。

メリット④ 休眠顧客の掘り起こしにも有効

休眠顧客は1度、あるいは何度か問い合わせや取引があったものの、その後確かな関係に繋がらないままお互いに放置してしまっている間柄のユーザーを指します。その掘り起こし(改めて顧客になってもらえるよう戦略を立てるもの)にもアドレサブル広告は有効とされており、新商品の発売や新サービスの提供、以前より質や使い勝手を改善したなどのタイミングで配信を行うことで、再び縁が結ばれる可能性もあるでしょう。

メリット⑤ ITP(Apple搭載のトラッキング防止機)の影響を受けにくいと言われる

なぜ従来のリターゲティング広告では足りないのか?というと、cookieを活用する点に問題があります。昨今では、Appleがsafariに「ITP」と呼ばれるトラッキング防止機を搭載している関係で、iPhoneやiPadなどの該当機器ではcookieを用いた顧客の追跡が困難となっているのです。

しかし、アドレサブル広告の仕組みにおいてはcookieが必須ではありません。それゆえ、リターゲティング広告と比較するとアドレサブル広告の方がITPの影響を受けにくく、難なく広告を打ち出せる確率が高いのです。

◎しかし…アドレサブル広告には「顧客データの分析」が必要というデメリットも

アドレサブル広告にデメリットがあるとすれば、それは「事前に顧客データの分析が必須」という点。メールアドレスや電話番号、コンバージョン履歴、購入利益といった情報がなければ適切に活用できないため、そもそもサービスや商品を利用した絶対数が少ないと効果は見込めません。

また、顧客ごとにふさわしい広告を出すには、それぞれの傾向をよく知る必要があります。事前にCRMでの顧客分析を行い、特徴に合わせた施策を検討しておきたいですね。

アドレサブル広告に対応している媒体はこれだけある!

最後に、アドレサブル広告(AD2)に対応している媒体を見てみましょう。代表的なものとしては大手検索サイトやSNSなどが挙げられ、いずれも数多くのユーザーを抱えています。

・Google

参考:https://support.google.com/google-ads/answer/6379332?hl=ja

Googleの「カスタマーマッチ広告」は、広告の出稿先が多様なのが特徴。GmailやYoutubeとも連携しており、メールアドレスと電話番号のみでユーザーリストの作成が可能なので、手軽に導入できます。

・Yahoo!

参考:https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/ydn/articledetail?lan=ja&aid=29151

Yahoo!が提供しているのは「YDN広告(ヤフーディスプレイネットワーク)」。登録されているメールアドレスをもとに顧客情報をマッチングできるシステムで、行動履歴に合わせた広告を展開できます。

・Facebook

参考:https://ja-jp.facebook.com/business/help/744354708981227?id=2469097953376494

Facebookも「カスタムオーディエンス広告」サービスを提供しており、ユーザーリストの作成はメールアドレスと電話番号で可能です。実名登録のSNSであり、個人の嗜好が反映されやすい側面があるため、アドレサブル広告の効果が発揮されやすいと言われています。

・Instagram

参考:https://offers.hubspot.jp/how-to-advertise-on-instagram?utm_content=&utm_source=google&utm_medium=paid&utm_term=crm_instagram%20%E5%BA%83%E5%91%8A_JP&utm_campaign=Marketing_Leads_JP_Adwords_JAPAN_JAPAN_Leads_e_c_9781539015&utm_id=509870010714&gclid=CjwKCAjwqcKFBhAhEiwAfEr7zWR6A8AhKcoBXmAR6CSkmtK7kOLUJHCl9aQi6V0SpiKKpRh2LWAjsRoCudAQAvD_BwE

Instagramも基本的にはFacebookと同様の仕組みを用いて、アドレサブル広告に対応しています。インスタは「インスタ映え」という言葉が流行ったことからも分かるように写真や動画をメインとしたSNSなので、視覚的に訴えかけやすい特徴が。

・Twitter

参考:https://business.twitter.com/ja/targeting/tailored-audiences.html

Twitterの「ティラードオーディエンス」は、特定のユーザーをターゲティングしてプロモーション広告を流すことができるサービスです。Twitterは特に拡散力に優れたSNSなので、うまくいけば予想以上の新規顧客を獲得できる可能性もあるでしょう。

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