化粧品のECサイトには課題が多い?今後新規で解説する場合のポイントとは

ECサイトでのネット通販、特にひとつのジャンルに絞って販売を行う「単品リピート通販」において定番の商材とされているのが「化粧品」。中でもスキンケア商品は定期的な補充が必要ですし、化粧水や美容液、乳液など複数のアイテムを同じブランドで揃える人が多いため、通販事業に向いていると言われます。

しかし、実際には「化粧品のEC化は思うように進んでいない」とも言われており、国内では全体の6%程度に留まっているそう。まだまだ実店舗や訪問販売に頼っている側面が大きいようですね。

では、化粧品のECサイトを開設する上での課題とは一体どのようなものなのでしょうか?これから新規で立ち上げる場合、売上を伸ばすポイントも合わせて見ていきましょう。

化粧品のECサイトにおける課題は多い!

化粧品業界でECサイトが普及しにくい理由としては、以下のような課題があるからだと考えられます。

その① 販売チャネル(媒体)がたくさんあり、そちらの方がメジャーである

まず、化粧品はコンビニエンスストアやドラッグストア、百貨店など実店舗をメインとして、カタログ販売や訪問販売、テレビでの通販など様々な販売方法があります。ネットで探さなくても身近なところで買えてしまいますし、特にプチプラ商品だとネットの方が割高になる恐れもあるため、他業界に比べるとネット通販に積極的なユーザーが少ないと言えるでしょう。

その② 大手から個性派まで、業界の競争が激しい

そもそも、化粧品は国内大手や外資系大手など資本力に長けた会社が多く、それらでほとんどのシェアを占めているとも言われます。その中で自社の商品の魅力を知ってもらい、こっちに変えてみようかな、と思わせるのは至難の業。そのため、化粧品のECサイトは新規参入のハードルが高いのです。

その③ デジタルマーケティングの難易度が高い

化粧品は、基本的に「使ってみなければ良さが分かりにくい」商品。一見同じようなパッケージ、価格帯、成分であっても肌質によって合う合わないが存在するので、ネット媒体でのマーケティングを行いにくいのも難点とされます。無料でサンプルを配布したり、初回割引をするなどして取っつきやすくするのはもちろん、口コミ評判にもはたらきかける必要がありそうです。

その④ 購入システムが分かりにくい

化粧品のECサイトでよく導入されているのが「定期購入」あるいは「サブスクリプション」システム。決まった商品や気になる商品が毎月自動的に届けば便利ですし、スキンケア商品だとそろそろなくなるな…というタイミングで買いに行かなくて良いのは嬉しいですよね。しかし、中には以下のようなポイントが分かりにくいこともあるので、曖昧な表記は避け、分かりやすく伝える必要があります。

・トライアルセット購入から定期購入へ移るタイミングは?

・定期購入でどこまでのアイテムがセットになっている?

・不必要なアイテムは除外できる?

・年間契約(更新)か、解約するまで続くのか?

その⑤ 店頭販売が強すぎる

化粧品を購入する上で、重視する人が多いもののひとつが「接客」。特に高価な化粧品だと失敗したくないので、店頭で使い方や合うかどうかを相談しながら買った方が安心感を覚えます。実店舗を持たないブランドの場合は情報だけで良し悪しを判断しなければならないため、どうしてもその点が不利になりがちです。

化粧品のECサイトを立ち上げる際の必勝法は?

このように、ECサイトで化粧品を販売するのは様々な競争相手の存在やマーケティングのしにくさから、かなり難しいことが分かります。では、今後新規でサイトを立ち上げる時、どういった点をおさえておくべきなのでしょうか?

・販売チャネルを限定せず、複数展開する

まず、販売する媒体を自社サイトのみ、といった風に絞らず、ECモールへの出品やInstagramのショッピング機能など様々な媒体で展開するのがおすすめ。ネットだからこその柔軟性で、SNSも活用しながら積極的に発信していきましょう。ただし、顧客管理やコスト面には注意しなければなりません。

・商品の露出を増やす

昨今ではInstagramやTwitterなどで“バズる”と、一気に購入希望者が増加する傾向もあります。自社アカウントの作成、オウンドメディアの開設などを工夫しつつ、自社商品に興味を持ってくれるユーザーを増やしていきましょう。しかし、注目度が高まりすぎて品薄期間が長くなると思うように売上を伸ばせなくなりますから、見極めが大切です。

・海外での販売も視野に入れる

ネットならではの魅力として「海外のユーザーにもアピールしやすい」というものがあります。メイドインジャパンに注目している外国人は意外と多いので、海外向けサイトの作成や販売経路の確保などができれば、国内だけに絞るより売上が見込める可能性も。

・定期購入システムを設け、ブログやSNSで使い方を発信する努力を

単品リピート通販で売上を伸ばすには、複数回の購入から定期購入へ繋げることが大事。商品の内容を少しずつ変え、いくつかセットを用意すると顧客にとっても魅力を感じやすいと言えます。また、ブログやSNSなどで効果的な使い方を分かりやすく説明する、といった施策も有効です。

・口コミページを作る

商品の口コミを誰でも投稿できる場所を作り、ユーザーが安心感を得やすいようにする、という方法も。お客様の声を載せるのも良いですが、匿名でいつでも書き込める、というのが信頼度をアップするポイントです。自社で作成しない場合は、ネットの口コミサイトの評価を上手く拡散できるといいですね。

オンライン接客をはじめ、新たな試みを導入した会社も!

ECサイト立ち上げのポイントとしては上記の通りですが、その他にも「化粧品のECサイト(ネット事業)だからできること」があります。大手が中心ではあるものの、今後メジャーな施策となる可能性も考えられますから、参考としてご覧ください。

・デジタルカウンセリングサービス

最初にご紹介するのは、スマートフォンで写真を撮影した顔写真をもとに最適なメイクを提案してくれる「デジタルカウンセリングサービス」。例としては資生堂コフレドールが提供している以下のアプリが挙げられます。

肌質や水分量、油分、キメの細かさなど様々な視点からアプリが判断し、似合う色とアイテムを約7,000点の中からチョイスしてもらえるそう。顔認識機能に関しては最先端のものが用いられているため、限りなくリアルなバーチャルメイクが楽しめるとのこと。

例:「コフミ(COFFmi)」資生堂コフレドール

https://www.coffretdor-makeup.jp/coffmi/intro/?openExternalBrowser=1&adobe_mc=MCMID%3D84325970009646207300490669827665820048%7CMCORGID%3D952B02BE532959B60A490D4C%2540AdobeOrg%7CTS%3D1619675307

・オンライン接客

前述した通り、化粧品購入の際には接客が重要なポイント。そこで外資系大手の「ランコム」では、以下のようなオンライン美容相談を開始しました。チャット機能を用いて今すぐ簡単に相談でき、最適なアイテムを紹介してもらえるサービスです。特にお悩みがはっきりしている方にとっては、非常に心強いのではないでしょうか。

例:ランコム公式オンライン美容相談

https://www.lancome.jp/e-beauty-advisor/

◎始める前に「資格が必要」なことも知っておこう

いかがでしょうか?化粧品業界のEC化には課題もありますが、各社様々な工夫を行いながら運営されています。

最後に、化粧品のECサイトを立ち上げる上での注意点として「専門的な資格が必要」なことも押さえておきましょう。

化粧品販売の際には、事前に「化粧品製造業許可」や「化粧品製造販売業許可」といった許可を得なければなりません。また、「薬事法」に違反した商品を開発しないように注意!肌に直接つけるアイテムである以上は、品質が最重要課題であることを視野に入れなければなりませんね。