エクセルでも顧客管理は可能!やり方のポイントや注意点は?

ECサイトをはじめ、昨今では特に企業における顧客管理の重要性が謳われています。そこで、専門のCRMツールを用いてデータを管理する方法もありますが、事務作業やリスト作成など、あらゆる場面で活用される「エクセル」を使って顧客管理を行う企業も少なくないようです。

しかし、あえてエクセルが使われる理由とは何なのでしょうか?今回はデータ整理のポイントや注意点などもふまえ、エクセルでの顧客管理について見ていきましょう。

目次

リスト化だけじゃない!エクセルでできることは?

ワードと同じく、オフィスで使用されるパソコン内のソフトウェアとしては昔から馴染み深いエクセル。専門のソフトではない以上使いにくいのでは?と思う方もいるでしょうが、関数を利用すればリスト化のみならず「条件に当てはまる顧客を抽出」することも可能です。

項目ごとに分けて顧客情報をリスト化できる

エクセルは縦の数字列と横のアルファベット行を基準として、顧客情報を項目ごとにリスト化できます。例えば左から「顧客ナンバー、氏名、住所、メールアドレス、電話番号」などですね。縦方向に数値を計算することも可能なので、使い方によっては売上の合計額や平均額を割り出す際にも便利なのではないでしょうか。

顧客情報を検索できる

ネット画面上と同じく、エクセルでもCntl+Fを押せば特定の文字列を検索することができます。例えば「特定の番号」「特定の人物名」など、出てきた入力欄に探したい情報を入れればOKです。

条件に合致する顧客を並べ替え、抽出できる

「並べ替えとフィルタ」機能を使えば、条件に合わせて顧客リストを並べ替えたり、その中から指定の特徴に当てはまる顧客を抽出したりすることも可能。購入金額の項目を作り、金額が高い順や低い順に並べ替えれば、顧客分析にも役立ちますね。

エクセルで顧客分析を行うメリット&デメリット

このように、エクセルを上手く使えば顧客データを適切に管理することができます。しかし、活用には注意点も存在するため、メリットと共に確認しておきましょう。

メリット① 導入が簡単で、利用に費用がかからない

エクセルはMicrosoft officeの一種として、ほとんどのパソコンに組み込まれています。ビジネスの場で活用され始めてからも長いので、導入のハードルが低いのが最大のメリット。事務系の資格をもつ人はもちろん、入力までなら難なくできる社員の割合も大きいため、専門の人材を雇う必要もありません。
(もし、エクセルがインストールされていないパソコンであれば、Google社が提供しているスプレッドシートというweb上のアプリを使用すれば、費用もかからずエクセルのように利用が可能です。)

サービスとして提供されている専用のCRMツールは有料であることが多く、使用するために月額料金を支払わねばなりません。しかし、既にエクセルをインストール済みのPCをお持ちならば、初期投資をなるべく抑えたい企業におすすめです。

メリット② テンプレートが豊富

エクセルに不慣れで、どんな形式で顧客管理リストを作成したら良いか分からない、という方もいると思います。そんな時は、ネットで配布されているテンプレートに沿って作成すればOK。無料のテンプレートが豊富に用意されているため、会社の規模や業態などに合わせた利用が可能です。

メリット③ フレキシブルに項目を設定できる

エクセルの新規画面は、基本的にまっさらな状態。縦の列にも横の行にも特別な指定はありません。そのため、自社の業務やサービス内容ごとに項目を自由に設定しやすいのも強み。内容の追加、変更といった改修も簡単にできます。

◎分析が難しい!?エクセルのデメリット

ただし、エクセルにもデメリットがあります。それは顧客管理を前提としたツールではないゆえに、細かい情報の管理、分析が難しいこと。具体的には以下のような注意点が考えられますので、押さえておきましょう。

・数値データの基準や顧客傾向など、細かい情報まで入力できない

・他のプラットフォームで作成したデータと連携させにくく、結果分析が困難になることも

・複数人でのデータの共有が難しい

・誰が編集、改修を行ったかが分かりにくい

・使用ごとに動作が重くなりがち

・スマートフォンで確認しにくい

・セキュリティ面での不安が大きい

共有に関しては、昨今ではGoogleスプレッドシート等便利な無料ツールも出ているので、編集できるメンバーをあらかじめ決めておけば解決できることもあります。しかし、他データとの連携やスマートフォンでの確認、セキュリティなどに関しては相変わらず課題が多いため、一定以上の規模をもつ会社での顧客管理には不向きと言えるでしょう。

正しく活用!エクセルでの顧客管理の基本とポイント

とはいえ、やはり気軽さやコスト面では優れているエクセル。では、実際に顧客管理を行うにはどのようなリストを作成すれば良いのでしょうか?ポイントをご紹介しましょう。

ポイント① 管理したい顧客情報によって、自社に必要な項目を決める

エクセルの項目は、自社のサービスがBtoB(企業から企業へ)か、BtoC(企業から一般消費者へ)かでも変わってきます。それぞれ代表的な項目としては以下の通りです。

・BtoB:企業名/取引先担当者/案件名/提案内容/見積金額/営業担当者/次回訪問予定/クレームなど

・BtoC:会員番号/性別/生年月日/家族構成/DM送付の可否/購入履歴(購入商品、回数や頻度、値段)嗜好など

上記は一例ですから、自社にとって顧客分析や抽出に必要な情報は何か、をもとに適切なものを選びましょう。

ポイント② データベースは縦軸で並べる

エクセルのデータベースは縦軸が基本。計算やフィルター、並べ替え機能などは縦方向でしか使えないため、間違って横の行を基準に作成しないよう気を付けましょう。

ポイント③ データは見やすく!行間は詰めて作成する

顧客データは見やすく、が鉄則。一目でどこに何が書かれているか分かりやすいよう、幅を広げたり記載順を工夫したりしてみてください。かといって、見やすさを強調しようと変に間隔を空けるのはNG。関数や機能に影響が出る恐れもあるので、行間は詰めるのが良いでしょう。

ポイント④ 重複チェック機能を使い、ヒューマンエラーを予防する

手動でエクセルを管理する場合、ヒューマンエラーはどうしてもゼロにはなりません。特によくありがちなのが「既に登録されている顧客を再度入力してしまう」というもの。新規登録ごとに検索機能を用い、必ず重複チェックを行うのがおすすめです。

困ったらテンプレートを使おう!代表的なサイト一覧

エクセルによるデータ作成のポイントは以上ですが、初めての方は配布されている「テンプレート」を活用すると便利、とお話しましたよね。そこで最後に、無料で提供されているテンプレートや、テンプレートを豊富に揃えているサイト、便利ツールをそれぞれご紹介しましょう。

Microsoft 顧客管理表

https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/template/result.aspx?id=13290

Microsoft officeの公式テンプレートとして用意されているもの。表の色変更も可能で、クリックひとつですぐにダウンロードできます。

書式の王様〜ビズオーシャン

https://www.bizocean.jp/doc/category/36/

無料の会員登録を行うだけで、エクセルはもちろんワードやPDF、パワーポイント、GifやJpgなどの画像、スプレッドシートなど多岐にわたるファイル形式のテンプレートを利用できるサイト。顧客管理テンプレートはワードでも用意されており、商談管理や得意先管理など、目的ごとに選べます。

エクセルカードHARI

https://www.excel-access-japan.com/

エクセルでの顧客管理や名簿管理などに使用できるツール。無料でダウンロードでき、目的別に4つのアプリケーションが用意されています。

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