低くなりやすいジャンルもある?ネットショップの利益率には「商材」が重要!

ネットショップを運営するにあたり、一般的には一定以上の「売上」を目標として掲げる方が多いと思います。しかし、実際に重要なのはその売上から経費を除いた「利益」。経費はあくまでも事業を継続するために必要なものなので、売上が高くても利益率が低いと徐々に経営は苦しくなってしまいます。

そこで今回は、利益率についての基礎知識や、元々低くなりやすいと言われているジャンル、利益率アップのための商材の選び方などを詳しくまとめてみました。

目次

利益率ってなに?ネットショップで気を付けておきたい経費の種類とは

利益率は、一般的に「売上に対する利益の比率」を表します。ここで売上から差し引かれる経費は「仕入れ値」が代表的ですが、実はそれ以外にも様々な経費が必要となるため、念のため覚えておきましょう。

その① 商品の原価・仕入れ費用

まず、押さえておくべき経費は「原価」。ネットショップの場合は仕入れサイトや問屋などを利用して仕入れを行う方も多いでしょうが、自社オリジナル商品であっても「開発費」という名の原価がかかっています。例えば仕入れ値が2,000円の商品を1万円で売れば粗利(売上総利益)は8,000円となりますね。

その② システム費用

次に、ECサイトを運営する上で必要となるシステム費用です。これにはサーバーの使用料やドメイン費用、ショッピングカートの利用料といった基本料をはじめ、メール送信ツールやCRM(顧客関係管理)ツールなど、ビジネスを円滑に行うためのサービスも含まれます。

メール送信ツールやCRMツールの導入は絶対ではないので、運営していく中で必要だと思ったら導入するのがおすすめ。決して安くはない月額料金がかかるものもありますから、慎重に考えましょう。

その③ マーケティング費用

ネットという広い海を利用しているからといって、放っておいても新規のお客様がやって来るとは限りません。そこで必要になるのが「広告費」です。Web広告には数多くの種類があるので、その中から自社アイテムに最適なものは何か、を検討することも大事ですが、広告掲載には費用がかかる、ということも覚えておかなければなりません。昨今ではSNSを利用した比較的手軽な広告も増えていますから、確認してみると良いでしょう。

その④ 販促費用

顧客の購買意欲を高めるための「販促費用」も、ネットショップにおいては大事な経費です。例えばキャンペーンのお知らせをDMする、一定額以上の購入にポイントを付ける、などですね。消費者側からすれば身近なポイント制度ですが、実はこのポイント分はショップの負担となるため、販促の一環として取り扱う場合は注意しましょう。

その⑤ 倉庫費用や出荷費用

在庫を抱えるタイプのネットショップを運営するなら、商品を置くためのスペースが必要です。自宅で賄えないのであれば倉庫を借りなければなりませんし、その分の貸借料金もかかってきます。また、商品を出荷する際の「送料」は顧客負担になるイメージですが、梱包代やまとめて送る際の配送業者との契約料は自社負担となりますので、顧客負担分の送料はバランスも考えながら設定しましょう。

その⑥ 決済にかかる手数料

顧客がクレジットカード決済を行った場合には「決済手数料」がかかります。これは利用するサービスによっても異なるため、事前によく確認しておきましょう。クレジットカード払いに対応しない、という手もありますが、消費者から見るとネットショップでカード払いができないのは非常に不便です。昨今ではキャッシュレス化の向きもあるため、決済手数料はかかるものと思っておくのが無難です。

◎「送料無料」が意外な落とし穴となることも!

大手ネットショップでよく見られる「〇円以上は送料無料」「会員登録すれば送料無料」といったサービス。消費者からすると魅力的に思えますし、自社でも取り入れたらどうか、と考えている人もいるでしょう。

しかし、送料無料には落とし穴があります。それは「単価が安い買い物客が多いと、売上に対して経費の割合が大きくなる」点です。1件あたりの単価が低いとこちらが負担した送料を回収できず、利益率が下がる傾向があるので、個人サイトや小規模なネットショップで送料無料サービスを行うのはあまりおすすめできないと言われています。

利益率をアップさせるためには「商材選び」が重要となる

利益率をアップさせるための施策としては、主に単価を上げて原価を下げる、クロスセルやアップセルなどで販促する、広告費を削減するためにリピーターを増やす、などが挙げられますが、中でも「商材選び」は非常に重要な役割を果たします。利益率が高い商品を選ぶことが、ネットショップの成功に大きな影響を与えるということですね。

ジャンルによっては、利益率が低くなっても仕方ない?

しかし、注意したいのは「平均的な利益率は、業界ごとに異なる」という点。ジャンルによっては、利益率が低くて当たり前という世界もあります。もし以下のような商材を選ぼうとしているのであれば、マーケティングや経費削減などに特に気を配る必要があるでしょう。

・家電製品

・ブランド化粧品

・サロン系の美容商材

・ドリンク(清涼飲料水)

中でも利益率の低さで知られるのが「家電製品」。原価自体が高いためか、最終利益が5%程度になることも多いと言われています。ドリンクは意外かもしれませんが、スーパーやドラッグストアなどにおいて1本あたりいくらで売られているかを考えると、確かに納得ですね。

オリジナル商品は、プロモーション費用が高い傾向がある

ネットショップの商材としてよく選ばれるものに「自社開発商品」がありますよね。他社と差別化するためには有効なのですが、オリジナル商品の場合は一般的に知名度がないところからスタートしなければならないがゆえに、広告費をはじめとするプロモーション費用が高い(全体の40%程度)と言われています。

特に化粧品や健康食品などは成分にこだわればこだわるほど原価が上がるでしょうから、売り出しに経費がかかるものと心得て、開発段階からコストをしっかり見ておきましょう。

利益率をふまえ、需要をはかる!ネットショップの商材の選び方は?

とはいえ、安定して利益を出せる商材を選ぶには「消費者の需要」をはじめ、様々な視点から考える必要があります。具体的には、以下のようなポイントが挙げられるでしょう。

ポイント① 単価の高さと利益率のバランスを考える

利益率を上げるために単価の高い商材を選ぶことは大切ですが、前述した家電製品のように、単価が高い商品は原価も高い傾向があります。かといって単価が安いと売上も下がってしまいますから、ネットショップでは一般的に「1回あたりの買い物が5,000円~1万円前後」を目安に商材決めが行われることが多いようです。

ポイント② 流行を含め、消費者にとっての必要性を考慮する

過去に一世を風靡したとしても、今のトレンドを押さえていない商品は売れません。自分が消費者の立場だったら欲しいと思うか、を念頭に置き、慎重に商材を決めましょう。

ポイント③ リピート購入されやすいアイテムを選ぶ

ネットショップにおいて重要な指標のひとつが「リピーター率」。一般的にはお茶やコーヒー、化粧品、日用品など、定期的に購入しなければならない商材を選ぶのが良いと言われています。最低でも3か月に1回は必要になるもの、できれば毎月定期購入が望めるもの、を考えてみてください。

ポイント④ あえてネットショップを利用したい商品は何か、に注目する

あえて誰も踏み入れていない領域に参入したいなら「対面で購入するのが憚られる商品」に注目する方法も。限られた趣味嗜好を持った人向けのニッチな分野のアイテムを揃えるのも良いですし、単純に持ち運びが面倒、店で買っても結局配送にしてもらうことが多いものは何か、という視点から商材を決めるのもおすすめです。

 

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