マスマーケティングを詳しく解説!事例は?もう古いってほんと?

マスマーケティングとは、顧客へのアプローチ戦略の中でも「大衆に同じ方法で」行うもののことをさします。第二次世界大戦後から1970年代にかけて訪れた高度経済成長期、大量消費時代と呼ばれたその頃に生まれた言葉で、マス(mass)は「一般大衆」という意味です。

しかし、マスマーケティングには具体的にどのようなものが挙げられるのでしょうか?今回は代表的な事例や媒体などをご紹介するとともに、昨今では「もう古い」と言われ始めている理由、現代に即したマーケティング法についてもまとめました。

マスマーケティングの代表的な媒体は4つ!

マスマーケティングを行うにあたって用いられる代表的な媒体としては、いわゆる「マスコミ4媒体」と呼ばれるものがあります。

・テレビ

・ラジオ

・新聞

・雑誌

いずれも人々の生活にすっかり馴染んだ情報源であり、特にテレビはつけているだけで大勢の人が同じ番組やCMを目にできますから、影響力が大きいとされていますよね。しかし、中には「ネットは入ってないの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

インターネットは、ここ10年ほどで一気に普及した広告媒体。マスマーケティングという言葉が生まれた時代にはまだ一般的ではなかったため、4媒体には含まれないのです。ただし、近年ではネットの影響力が高まっていることもあり、4媒体にかけられる広告費はやや減少傾向にあると言われています。

マスマーケティングの代表的な事例は「コカ・コーラ」

毎日のように流れている企業のCMはすべてマスマーケティングの事例と言えますが、中でも代表例としてよく挙がるのが「コカ・コーラ」です。

コカ・コーラ社は現在も自社の象徴である炭酸飲料をはじめ、コーヒーやお茶など様々な飲料を展開していますよね。しかし、元々1923年にコカ・コーラ社の社長に就任したロバート・ウッドラフ氏が「いつでも・どこでも・だれにでも(Anytime, Anywhere, Anybody)」をキャッチコピーとしてキャンペーンを始めた際、マスマーケティングの対象となった製品は看板商品の「コカ・コーラ」ただひとつでした。

テレビやラジオのCM、新聞広告、看板、雑誌などいたるところに広告を展開した結果、大衆に強く印象付けられたのが「コカ・コーラの赤」。シンボルカラーで塗り上げた自動販売機も幅広く設置し、大衆にとって身近な存在となコカ・コーラはいつしか清涼飲料水の中でもトップシェアを誇る製品になったのです。

同社は現在もマスマーケティングに力を入れており、ネットが主流となった昨今では驚かれるほどの広告費を費やしています。これはコカ・コーラの購入者層の過半数を占めるとされるライトユーザー(年に1、2回コーラを買って飲む人)に向けたもので、自社の傾向をふまえ、市場におけるブランドの存在感を高めるはたらきがあるとの説も。

参考:コカ・コーラが「たまに買う客」を重視する真相(東洋経済オンライン)

https://toyokeizai.net/articles/-/392385

マスマーケティングのメリット&デメリットは?

マスマーケティングは華やかな媒体を用いるがゆえに、多くの消費者に対して自社のブランドをアピールできる方法です。しかし、実はそれ以外にも様々なメリットが。一体どのような利点があるのか、詳しく見てみましょう。

メリット① 大量生産に向いた製品の場合、効率化やコストダウンに繋がる

マスマーケティングと相性のよい商材としては「大量生産に向いているもの」があります。大勢の目に触れる場所でたくさんの人々の興味を惹ければ、その分一度に多くの需要が生まれるので、工場生産や流通などを活発化させることで製品ひとつあたりの単価をコストダウンできる可能性も。

メリット② より効果的な広告媒体に絞り込むことができる

テレビや雑誌、新聞、ネットなど、その商品を宣伝するのに適した媒体が分からないうちは、様々なところに広告費を投下しなければなりませんよね。しかし、マスマーケティングが成功すれば、より効果的だった媒体に広告費を注力させることも可能です。

◎マスマーケティングにはデメリットも!これからの時代に合わない?

とはいえ、マスマーケティングにはデメリットも存在します。それは「多額の広告費がかかる」ということ。CM1本を流すまでには出演するタレントやディレクター、デザイナーなど数多くの人が携わっており、魅力的な宣伝を打とうとすればするほどコストは跳ね上がります。華やかな世界に見えるからこそ、企業に求められる努力も大きいのです。

また、前述した通り昨今では「ネット」の力が強まっています。その分テレビやラジオ、雑誌といった媒体の存在感は以前に比べると薄れていると言われており、特にこれからの時代、パソコンやスマートフォンからの情報を重視している若年層に対してはマスマーケティングよりも「ニッチマーケティング」に力を入れるべきとの話も。

しかし、ニッチマーケティングとはいったい何なのでしょうか?マスマーケティングとの比較もふまえ、詳しく見ていきましょう。

ニッチマーケティングは「ターゲットや市場を絞る」マーケティング法

大衆に向けられるマスマーケティングとは違い、ニッチマーケティングは「限られた市場の中で、ターゲットを絞って行われる」マーケティング活動のこと。ターゲットマーケティングとも呼ばれ、従来は大量生産に不向きのサービスや製品を提供する中小企業や個人事業主などに適した方法と言われていました。

ニッチマーケティングはの代表的な媒体としては、以下のようなものが挙げられます。

・SNS(Twitter、Instagram、Facebookなど)

・スマートフォンアプリ

・Youtubeをはじめとする動画サイト

特にSNSは代表的なツールごとにユーザーや特色が異なるため、TwitterやInstagram、Facebookなどのすべてにおいてアカウントを作成している企業も少なくありません。それぞれの特徴としては以下の通りです。

Twitter:拡散力が高く、即効性がある。匿名性が強い。幅広い年齢層のユーザーがいる。

Instagram:写真や動画などの広告をアップするのに最適。20代~30代が中心。

Facebook:実名制のため、顧客の生の声が集まりやすい。30代~40代が中心。

また、最近ではLINEアプリを用いたサービスを提供している会社も増えていますよね。ともだち登録を行うとオトクな最新情報やクーポンを取得できたり、商品について気軽に質問できたりするようになりました。これも一般的となったニッチマーケティングのひとつと言えるでしょう。

◎「ターゲットを絞った商品やサービスの開発」を意味することも

ニッチマーケティングは、媒体のみならず「ニッチな層に向けた商品やサービスを開発する」という意味で使われることもあり、代表的な事例としては「男性専用の眉毛サロン」が挙げられます。

男性にとってエステサロンはあまり身近ではない存在だったと思いますが、眉毛を整えるのは身だしなみの一部として既に馴染んでいるため、「専用のサロンで剃ってほしい」という需要も高いはず。その上で“女性と同じサロンに行くのは気が引ける”という潜在的な客層に切り込むことで、見事ニッチ市場を開拓したのですね。

まだまだマスマーケティングも必要!特性を理解して使い分けよう

このように、昨今ではネットの普及もあり、ニッチマーケティングを中心とする企業も増えています。しかし、かといってマスマーケティングの意味がなくなった、というわけではありません。

いまだにテレビや雑誌、新聞などを楽しんでいる人はたくさんいます。そのため、CMに広告費をかけられる企業や大量生産に適した商品を扱っている企業にとっては、まだまだマスマーケティングの意義は大きいと言えるでしょう。マスマーケティングとニッチマーケティング、それぞれの特性を知り、効果的なアプローチを考えてみてくださいね。