関係を深めてLTVアップ!リレーションシップマーケティングを詳しく知ろう

リレーションシップマーケティングとは、1983年にアメリカのマーケティング学者であるレナード・ベリーによって提唱された経営手法のこと。One to Oneマーケティング(顧客関係マネジメント)とも呼ばれ、簡単に言えば「既存顧客との関係性を深めることで、長期的に安定した売上を目指し、LTV(顧客生涯価値)の最大化をはかる」方法を言います。

新規顧客の獲得も重要ですが、会社を長く継続させるためには短期的な売上のみに注目せず、既存顧客との結びつきも維持していかなければなりません。そこで今回は、リレーションシップマーケティングのメリットや具体的なポイント、成功事例などについて詳しくまとめてみました。

コストも見直せる!リレーションシップマーケティングのメリットは?

既存顧客との関係性を見直し、分析や管理を行う(CRM)ことが大切であるのは言うまでもありませんが、リレーションシップマーケティングは最終的に新規顧客の獲得にも役立つと言われています。では、一体どのようなメリットが存在するのか確認してみましょう。

メリット① 解約や離脱を防ぎ、リピート率を上げられる

まずは、顧客1人1人に対して手厚いフォローを行うことで「顧客満足度」がアップ。他社製品や他社のサービスに乗り換える必要性がなくなるため、解約や離脱リスクを軽減できます。

また、リレーションシップマーケティングは優良顧客(単価や購入頻度が高い、企業にとって特に重要度な顧客)の育成が目的となるので、結果的にリピーター率の増加に繋がることも多いようです。

メリット② コストを削減しつつ、顧客単価の向上を狙える

新規顧客を獲得するためのマーケティングには、広告費を含め様々な経費がかかります。どのような施策が有効かどうかを知るにもある程度分析が必要ですから、場合によっては既存顧客の売上アップを優先した方が、効率よく安定した利益を生み出せることもあるでしょう。

特に優良顧客は自社の製品やサービスに特別な魅力や愛着を感じている傾向があるので、上手くアプローチできればより高価な商品を購入してくれたり、他商品とのセット買いを行ってくれたりする可能性も。

メリット③ 将来的なLTVアップも期待できる

顧客単価や購入頻度が上がっていけば、同時にLTV(顧客生涯価値)もアップするはず。LTVには解約・離脱率の低下や単価、リピート率などすべての数字が関わっており、売上の集大成と言っても過言ではありません。リレーションシップマーケティングは、将来的な利益を考える上でも非常に大きな役割を果たすものなのですね。

メリット④ 口コミから新規顧客の増加にも繋がる

ロイヤルカスタマー(優良顧客)となってくれた消費者たちは、周囲の人にも商品やサービスを薦めたり、ネットに好意的な口コミを書いたりすることもあります。購入は実際に使ってみた人の感想を聞いてから検討したい、という人も多いので、リレーションシップマーケティングは結果的に新規顧客の増加にも繋がると言えるでしょう。

どんな方法でアプローチする?リレーションシップマーケティングの具体例

このように、企業にとって様々なメリットがあるリレーションシップマーケティング。では、具体的な手法としてはどのようなものがあるのでしょうか?

データベースマーケティング

データベースマーケティングはリレーションシップマーケティングの中でも代表的な手法のひとつで、集めた顧客情報を年齢や性別、職業などの属性情報、購買履歴、アンケートなどの回答によって分類し、管理・分析を行った上でそれぞれに適した販促を実施することを言います。

例えば顧客の誕生日や会員更新日などを基準に特典を付与したり、過去の履歴から購入のタイミングに合わせて新商品をアピールしたり、といったものですね。顧客情報をふまえて販促を行うため、CRMとも密接な関わりをもつマーケティング手法とも言えるでしょう。

◎注意点:常に最新のデータを集めておく!

データベースマーケティングは、顧客1人1人に対してより効果的な販促を提供できるようになるので、短期的な売上はもちろん、顧客満足度アップを理由とした長期的な関係性の強化も期待できます。ただし、データが古すぎると意味がありませんから、常に正確な結果を導き出せるよう最新のデータ収集を心がけておきましょう。

アカウントベースドマーケティング(ABM)

アカウントベースドマーケティングも、リレーションシップマーケティングの代表的な手法。これは主にBtoBにおいて使われるもので、自社にとっての優良企業を絞り込み、それぞれに合わせたマーケティングを行います。

ポイントは、ターゲット企業を明確に定義すること。セミナーへの参加やサイトへのアクセスといった見込み客だけではなく、既にある程度付き合いのある顧客をベースに、具体的な施策を行う必要があるでしょう。

アカウントベースドマーケティングは営業部門との連携をしやすいのもメリットなので、上手くいけばコストを削減しつつ、より効率のよいアプローチができるようになる可能性もあります。

◎アカウントベースドマーケティングの流れ

アカウントベースドマーケティングは、基本的に

⒈ターゲット企業の選定
⒉キーパーソン(営業部門・役職等)を決める
⒊アプローチ内容と方法を決める
⒋キャンペーン実施
⒌効果測定

といった流れで行われます。ポイントは「ターゲット企業が直面している課題を解決するための方向性を検討する」こと。どうすれば相手企業が魅力を感じられるか、立場に寄り添って考えてみましょう。

サービスマーケティング

サービスマーケティングは、一般的に「サービス」という有形商品とは異なるものの特性を活かし、自社(ブランド)のファン獲得を狙う手法のこと。一定期間サービスを行い、自社の商品やサービスに好意を抱いてくれた顧客を更に特別イベント等に招待することで、より一層深い関係の構築を目指します。

あの大企業も実践!リレーションシップマーケティングの成功事例

リレーションシップマーケティングのメリットや手法については以上ですが、実際に活用できている企業はあるのか気になる方も多いでしょう。そこで今回は通販事業を中心に、成功事例をいくつかご紹介したいと思います。

事例① Amazon(https://www.amazon.co.jp/

世界的な通販サイトとして知られるAmazon。Amazonのリレーションシップマーケティングとして有名なのが「レコメンド機能」です。これは商品を購入した人の履歴を参考に“おすすめ商品”が表示されるというもので、顧客1人1人に対しカスタマイズした情報が与えられます。中には思いもよらない商品を見つけるきっかけになった、という方も多いのではないでしょうか。

事例② ZOZOTOWN(https://zozo.jp/

こちらも通販サイトとしては大手のZOZOTOWN。ZOZOTOWNでは顧客の購入履歴やアクセスログ、好みなどの情報をもとに、その人にとって必要な情報を提供しているのが特徴です。

例えば靴を購入した人にはぴったりのファッションアイテムやお手入れ方法、ギフト向けの商品を購入した人には魅力的なラッピング方法…などですね。同社は2010年にリレーションシップマーケティングを導入して以降、こういった分析・取り組みから飛躍的にCVR(コンバージョン率)をアップさせたとも言われています。

事例③ ザ・リッツ・カールトン(https://www.ritzcarlton.com/jp

世界各国にホテルを展開し、ラグジュアリーな客室とサービスで知られるザ・リッツ・カールトン。リッツ・カールトンは近年IT技術による顧客管理を導入し、潜在的なニーズに合わせたサービスの提供を心がけるようになったと言います。

過去のエピソードの中には「部屋に忘れ物をし、連絡すると届けてくれるというので待っていたら、担当のホテルマンが直接自宅まで来てくれた」なんて手厚すぎるホスピタリティを感じさせるものも。長年のノウハウとリレーションシップマーケティングが組み合わさることで、従来以上の顧客満足度が期待できるケースもありそうです。