RFM分析の活用事例を知りたい!やり方&注意点についてもご紹介

顧客を3つの基準に合わせて分類し、より効果的なアプローチを狙うRFM分析。しかし、具体的な事例としてはどのようなものが挙げられるのでしょうか?

今回はECサイトにおいても代表的な商材とされるアパレル業界の具体例を含め、RFMの活用方法についてまとめてみました。そもそものやり方や注意点についてもご紹介していますので、ご参考ください。

顧客を3つの基準で見る!RFM分析ってなに?

RFM分析は、Recency(直近で購入された日)、Frequency(購買頻度)、Monetary(どの程度お金を使ってくれたか)という3つの指標をもとに、顧客をグループ分けしていくものです。一般的には会社の売上に大きく貢献してくれている優良顧客を見出すために使われるケースが多く、数値によって顧客をランク分けしていく、といった感じですね。

必須なのは「顧客ごとのデータを持っている」こと。会員カードや購入履歴の一覧など、それぞれの情報が分からなければRFM分析は正確に行えません。逆に仮に整理できていなくてもデータさえ確かなら、以下のような手順でRFM分析を実施することが可能です。

◎RFM分析の手順

⒈RFMの項目ごとにランク分けをする

まず、前述した3つの項目について、それぞれ基準を設けます。例えばRなら「1週間以内に買ってくれたなら5、2週間以内なら4」といった具合で、言い方は悪いですが顧客ごとに通知表をつけるイメージです。

⒉項目ごとの点数を合計する

ですが、中にはRは5だけどMは2程度、といったように、一部だけ優良顧客の条件に当てはまるものの、他の数値は低いという顧客もいますよね。そこで、正確に顧客を分析するため「顧客ごとの点数を合計」します。

⒊ランクに基づき、更なるグループ分けを行う

最後に、合計した点数をもとに顧客をグループ分けしていきます。基本的には、合計点が高いほど優良顧客と見なせるでしょう。ただし、顧客には様々な傾向があるため、今までの購入額は高いけれど離脱しそうな顧客や、逆に新規でもたくさん買ってくれている顧客、購入額はそこそこでも安定して利用してくれている顧客など、できる限り細かく分けるのがおすすめです。

◎RFM分析の評価ポイント

前述した通り、RFM分析は顧客ごとに様々な傾向があることが分かる方法でもあります。顧客それぞれのアプローチを正しく考えるためにも、総合点だけでなく「評価ポイント」をしっかり見極めておきましょう。

・R(最後に購入した日)やF(購入頻度)の数値が高い顧客は、レスポンス率に優れている

・Rが高い顧客ほど商品への興味が強いと考えられ、将来の収益に貢献する可能性が高い

・Rが低い場合、FやMが高くてもいずれ離脱する、または既にしている恐れも

・Rの数値が同じでも、Fが高いほど常連客になっていると考えられる

・Rが同じなら、FやMが高いほど購買力がある顧客と見なせる

・RやFが高くても、Mが少ない顧客は売上への貢献力が低い

・Fが低くMが高い顧客は、Rの数値が高い方がより重視すべき優良顧客となる

・Fの上昇がない、あるいは下がっている顧客は離脱している恐れがある

・RFMのすべてが低い顧客は、切り捨てることも視野に入れておく

こうして見ると、基本的には「Rの数値」を基準にして考えられることが多いのですね。一番最近買ってくれた顧客は、新規でも後に優良顧客となってくれる可能性があるので、効果的なアプローチを行いたいものです。

◆RFM分析には注意点もある!

しかし、RFM分析には注意点もあります。取り扱う商材やサービスによっては不向きな企業も存在するため、よく確認しておきましょう。

その① 優良顧客以外へのアプローチもしっかり考える

RFM分析でありがちなのが、抽出できた優良顧客を優先的に考えすぎて、いずれ優良顧客になってくれるかもしれない顧客を取り逃してしまう、というもの。例えば、以下のような顧客を言います。

・最近初めて購入してくれた新規顧客

・以前は頻繁に購入してくれていたのに、最近は動きがない顧客

・購入回数自体は多いのに、購入金額が少ない顧客

RFM分析を有効に活用するには、こうした人々にもそれぞれに合わせたアプローチを試してみる必要があります。ロイヤルカスタマー(優良顧客の中でもより上位の層をさす)を育成すべく、深い信頼関係の構築を目指しましょう。

その② それぞれの基準値には意義を持たせる

RFM分析では通知表のように顧客に点数をつけるとお話しましたが、例えばRの指標として「1週間前までが5、2週間前までが4」というのはあくまでも目安であり、会社ごとに適した数値は異なります。なぜその基準になるのか?を考え、自社ならではの基準を導き出しましょう。

その③ 商材の傾向的に活用できるかを考える

RFM分析が向いていない特徴として「季節限定の商品を取り扱う会社」や「高額商品を中心に取り扱う会社」などが挙げられます。クリスマスやお正月、夏の時期など限られた時期に注力する企業だと、直近の購入日は優良顧客を求める指標になりにくいからです。

また、商品単価が数百万円以上となるのが基本の商品(車や住宅など)を取り扱う会社にとっても購入頻度は指標にしにくいもの。自社の商材と向き合い、最適な顧客分析を検討してください。

アパレル業界で見る!RFM分析を用いた活用事例は?

このように、RFM分析には注意点もありますが、有効活用できれば多くのメリットが存在します。では、実際の活用事例を具体的に見ていきましょう。

高級レースを用いたレディースファッションブランドの例

創業から70年の歴史を誇り、日本有数の繊維問屋街を誇る日本橋付近に拠点を構えるアパレルブランド「麗(れい)」。終戦後まもなく輸入レースを使ったブラウスを販売したことで知られ、現在では国産のオリジナルレースを用いた一大ブランドとして発展しています。

取引先は百貨店から個人のブティックまで、全国に1000社以上。しかし、それだけの規模でありながら日常業務をすべて手作業で行っており、かなりの時間的コストが費やされていたことから「販売実績(RFM)に応じた顧客対応を目指し、システム化に踏み切った」そう。

同社はRFM分析により、年間売上高の高い取引先に対して卸値を下げたり、キャッシュバックを行ったりといった施策を実施。優良顧客をマップで可視化することで、訪問や営業の際に近くの休眠顧客(過去にやり取りがあったが、その後放置されている顧客)を訪ねるといったアプローチができるようになりました。

また、麗ならではの施策として「優良顧客が持つ商圏内に、新たな顧客を作らない」というものも。これは“国産レースを使った、少量生産のオリジナル商品を取り扱っているお店”、という取引先の価値を下げないために徹底されています。取引先との信頼関係を高める上でもメリットの大きい施策と言えますが、こういったアプローチを行えるのは、RFM分析において「誰が優良顧客か」を正しく判断できたからなのですね。

参考:https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/0802/18/news01.html

(RFM分析で優良顧客を見極めたアパレルメーカーのCRM活用:ITmedia)

事例を見ても分かるように、RFM分析を行う前に「どのような施策を前提とするか」を考えておくと、後の活用がスムーズです。優良顧客や安定顧客、休眠顧客、離脱顧客など細かく見極めた上で、それぞれに対してどのようなはたらきかけをすれば売上や信頼関係の構築に繋がるのか。評価ポイントもふまえ、自社の課題を確認していきましょう。